軍国酒場

劇場公開日:

解説

現代の新風俗“軍国酒場”を背景とした風刺喜劇で、高橋二三、池上金男の共同脚本を、久方振りに西村元男が監督したもの。撮影は「消された刑事」の小林節雄。「夜霧の滑走路」の石井竜一、「母の旅路」の仁木多鶴子に市川和子・鶴見丈二・三角八郎・丸井太郎らが出演。

1958年製作/63分/日本
劇場公開日:1958年11月1日

ストーリー

大東京の盛り場、ネオンに彩られたキャバレー街の一角に「軍国酒場・さくら兵団」がある。入口には戦闘帽、兵隊服のヒゲの歩哨(ボーイ)が立ち、中には白衣の従軍看護婦姿の女給が接待に出ている。バンドは軍楽隊の服装、曲目はすべて軍歌、逆コースを一気に飛び越えてすべてが軍国調。超満員の場内を見廻して満足顔の部隊長・社長の吉岡は、参謀・支配人の川田を相手に次回作戦の計画に余念がない。しかしこの部隊長殿に一つの頭痛の種がある。それは目に入れても痛くない一人娘・城北大の学生美佐子である。男手一つで育てられたやんちゃ娘で、父親の逆コースぶりを攻め立てる。この軍国酒場に、ある日、城南大の学生・進がアルバイトにやって来た。父親の死んだあと、ずっと一人で進を育てて来た女史タイプの母親・政江に反撥したためだった。ところが、ひょんなことから、進は吉岡と、美佐子は政江と共鳴、それぞれ家を飛び出した。しかし、二人とも、なんとなく淋しかった。ところで、支配人の川田は、かねてから美佐子を狙っていた。そして、やがては社長の椅子に収まろうとの野望を持っていた。しかし、進の出現で不可能と見るや、勝手に店の権利書に印を押し、暴力団に渡してしまった。暴力団は、アバシリの竜を先頭に乗り込んで来た。あわやと言う時、進がやって来て、竜とはげしく闘った。進の技が決って投げられた竜が静かに黒眼鏡を取った。それはかつて進が柔道を習った先輩の竜介だった。戦争で足をやられ、すっかりひねくれた竜介だったが、進の一段で音に返った。権利書も返り、川田は捕った。何よりの喜びは吉岡と政江が仲よくなったことである。進と美佐子もしっかりと手を握り合った。

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