ちゃっきり金太
劇場公開日:1958年6月2日
解説
山本嘉次郎の原作・脚本を、「お笑い夫婦読本」の青柳信雄が監督、「無法松の一生(1958)」の山田一夫が撮影したコメディ。主演は「太鼓たゝいて笛吹いて」の三木のり平、有島一郎、「東京の休日(1958)」の扇千景、「弥次喜多道中記」の中田康子。
1958年製作/72分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年6月2日
ストーリー
現代でもない、未来でもない、百年前のおはなし。封建政治はヨロメキの寸前であった。腰抜け侍どもが昼はロカビリー夜はグラマーと、国を忘れた気違い暮しを続けていた。その風潮へレジスタンスと、ちゃっきり金太は、浅草の六花美麗(ろかびりい)大会で熱狂する侍どもの巾着を抜いていた。彼につきまとうのは、岡っ引倉吉である。長年つきあっている故か情が移っている。金太の根城は上州屋という飲み屋。長兵衛は彼の支援者だ。娘のおつうに、金太はホの字である。彼女はグラマーおこんを金太のことでやいている。金太がスッた薩摩の侍の財布から、妙な書きつけが出てきた。老中の汚職のことが書いてあるメモである。グラマーおこんもこれを狙っていた。金太は薩摩の侍につけ廻され、命が危くなり、メモを長兵衛にあずけると、旅に出た。倉吉も一緒に。ある旅篭で、近藤勇と称する男が、女旅芸人おすみの連れている娘を手ごめにしようとした。金太らが助けようとした。大騒ぎになっている間、旅宿のお客たちの財布がみんななくなった。近藤勇(?)とおすみらはグルであり、一芝居打って、その間に盗んだのだ。倉吉は金太を連れて彼らを追う。次の宿でおすみらが一芝居打ったとき、金太は客の財布をぜんぶ出してやった。手品の大先生ということになった。グラマーのおこんもメモを求めてやってきた。その助けで、金太らは薩摩の追手を一度は逃れたが、さて、二人の運命やいかに、というわけである。