誘惑からの脱出

劇場公開日:

解説

原田光夫の原案を、「午後8時13分」の須崎勝弥と「女の肌」の島耕二が脚色し、同じく島耕二が監督、「女の肌」の高橋通夫が撮影した、大映ビスタビジョン現代劇第一作。主演は、「女の肌」の根上淳、「妻こそわが命」の若尾文子、「永すぎた春」の川口浩、「残月講道館」の高松英郎。ほかに角梨枝子、月田昌也、苅田とよみ、見明凡太朗など。色彩は大映カラー。

1957年製作/91分/日本
劇場公開日:1957年7月13日

ストーリー

嘗つてハジキの徹と異名をとった森口徹夫は、身寄りもなく、唯一人家で待っている弟と高志の為にも二度と悪の道に入るまいと決心、傷害罪の刑期を勤めあげて弟のところに帰って来た。翌日から職業を探し始めたが仲々職はみつからなかった。そんな彼に昔の仲間、伊佐が古巣に返る様に云ってくるが徹夫はとり合わなかった。弟高志は東洋運送に勤務、恋人の園田通子とはお互に結婚を目標に貯金し合っているが、光子は結婚の早い事を希み結婚資金を得る為に、キャバレーへ勤めに出た。その光子の真意を誤解した高志の生活は日毎に荒さんでいった。それに目をつけた伊佐は高志を誘惑した。一方徹夫はふとした事から謎の女奈美と知り合い、その手引で高志が悪の道に入り込んだ事を知って愕然とした。徹夫の就職がやっと決った頃、伊佐一味は大々的に抜き荷する計画が始っていた。今では徹夫に心惹かれている奈美は高志も一味にいる事を徹夫に急報した。それを知った伊佐は高志が見張りをしている倉庫に徹夫を誘い込み、その高志の背後に伊佐が拳銃をつきつけ乍ら、進んで来る徹夫の姿へ“撃て”と強迫した。初めて伊佐の悪計を知った高志は、身を犠牲にして手の拳銃を兄へ投げた。一瞬火を吹く拳銃に伊佐は倒れたが、徹夫も倒れた。高志と光子の幸福を祈り乍ら死んでいった兄に高志は決して悪に入るまいと心に誓った。

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