青い怒濤

劇場公開日:

解説

学校騒動を中心に若き高校生の群像を美しい乙女の涙で描く青春篇。雑誌“明星”連載、ラジオ東京TV放送劇の宮本幹也の原作から「海の百万石」の舟橋和郎と「おんな船頭唄」の小林桂三郎が共同で脚色、小林桂三郎が監督した。撮影は「地下から来た男」の中尾利太郎。主な出演者は「暁の逃亡」の浅丘ルリ子、「逆光線」の香月美奈子、「花の運河」の葉山良二、「地下から来た男」の東谷暎子、桂典子、他に武藤章生、杉幸彦、芦田伸介など。

1956年製作/83分/日本
配給:日活
劇場公開日:1956年10月1日

ストーリー

ミス光南学院として自他共に認める御正さゆりは、最近転校してきた香月緋奈子に人気を奪われて面白くない。緋奈子は院長の友人で政党の副幹事長香月順之助の一人娘。母亡き後、我儘一杯に育った彼女は以前、二度も退校処分を受けたアプレ娘である。さゆりは海水浴へ行った折、日頃から対立する清和高校の不良少女団長文子と水中で格闘。水を呑まされ気を失うが緋奈子に救われ、彼女と市立病院の楠先生の手当で息を吹き返す。怒った文子に決闘状をつきつけられた緋奈子は、相談する相手もないまま一人で不良団と対決、だが駈けつけた楠先生に助けられる。この事件以来、さゆりと緋奈子は和解、二人の胸には楠先生の面影が強く焼きついた。ある日、楠、緋奈子らとハイキングに出たさゆりは、その折、楠の写っている記念写真を緋奈子がしまっているのを知り淋しくなる。一方、楠は母の墓参りに行く緋奈子に逢い、彼女が本当は一人ぼっちで淋しい娘だと知り見直すが、帰途、車の故障で二人はさゆりの誕生祝いに遅れてしまう。とは知らぬさゆりは二人を誤解してやけ酒で泥酔、かけつけた楠ともみ合う処を素速く写真に撮った湘南時報の中井。学院乗取りを計る土建業者野村組に売収されている湘南時報の学院攻撃の記事に町は騒然となる。責任をとって病院を辞めた楠は単身、新聞社に乗りこみゴロツキ共と大乱闘。PTA集会で院長は父兄の攻撃の的となるが、順之助の支持で形勢は逆転。経営難の学院再建に共感の拍手が巻き起る。責任を感じたさゆりは書置きを残し家出、怒濤に身を投げようとしたが後を追った緋奈子に引止められる。やがて楠は転任。ホームに立ちつくすさゆりと緋奈子の胸には「青春の思い出を大切にね」とささやいた彼の言葉がいつ迄も響いていた。

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