拳銃無頼帖 抜き射ちの竜

劇場公開日:

解説

城戸礼の原作を、「傷だらけの掟」の山崎巌が脚色し「銀座旋風児 黒幕は誰だ」のコンビ野口博志が監督し、永塚一栄が撮影したアクション・ドラマ。

1960年製作/85分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年2月14日

ストーリー

銀座の裏通りにある病院から、一人の麻薬患者が退院した。竜二こと“抜き射ちの竜”だ。彼は相手の肩を射抜く、殺さぬ殺し屋として怖れられていた。竜二は宮地組組長の宮地と幹部の三田を射った後、禁断症状で気を失ったのだが救けられて病院へかつぎこまれた。救った男は“コルトの銀”だった。竜二は入院費を出してくれた楊三元という男の用心棒になった。楊は麻薬密輸団のボスで、その売りさばきは堀組の手を通していたが、最近堀組に当局の手が廻りはじめたので、堀組と手を切ろうと決心していた。竜二は洋装店のマダム房江の部屋で、思いがけぬ男を見た。圭吉だった。彼は元プロ・ボクサーで、竜二の弟分だったが、今は廃人同様の麻薬患者になっていた。ある夜、竜二が始めて楊のために仕事をした帰途、警官に車にかくした麻薬を捜された。楊の一味で、密告した裏切り者がいるらしい。竜二が行くところへ、いつも姿を現わす女がいた。同じアパートにいるみどりという女だった。竜二は詰問したが、誤解だった。大きな麻薬取引が近づいた。楊は堀の口をふさぐことを竜二に命じた。竜二は銀と共に堀の事務所に乗りこんだ。わめく堀を銀が射殺した。さらに銀は、圭吉を射ち、みどりまで捕えようとした。竜二はみどりを助け、二人は愛を誓った。裏切り者はトランペット吹きの石井だった。彼はみどりの兄で、麻薬取締官だったのだ。圭吉が楊に射たれ血まみれになって転りこんで来た。竜二は怒った。倉庫街。激しい射撃戦の後、楊一味はことごとく倒れた。駈けつけた石井が、肩を射抜かれた楊に手錠をかけた。パトカーに乗る竜二に、みどりが近づいた--。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

3.0どちらかといえば赤木圭一郎より、宍戸錠の役の方がキャラが立っており、まるで彼をメインにしたスピンオフ作品といった印象

2020年6月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

赤木圭一郎
石原裕次郎、小林旭に次ぐ日活第三の男

21歳で事故死してしまい僅か14作しか主演していないにも関わらず、伝説の大スターとしてその名前は21世紀まで轟いている

身長はさだかではないが175センチくらいか
石原裕次郎や小林旭のように大きな印象はない
小柄に見える
峰岸徹のような危険な匂いが漂うところが、先の二人とは異なる
そこが特に女性を惹きつけるのかも知れない

本作はその彼が主演に抜擢された作品
観てのとおりギターを持った渡り鳥の類似作品
というかパターンをそのまま流用している

時系列で公開日を整理してみるとこうなる

拳銃無頼帖 抜き射ちの竜 1960年2月14日
拳銃無頼帖 電光石火の男 1960年5月14日
拳銃無頼帖 不敵に笑う男 1960年8月6日
拳銃無頼帖 明日なき男 1960年12月3日

ギターを持った渡り鳥 1959年10月11日
口笛が流れる港町 1960年1月3日
渡り鳥いつまた帰る 1960年4月23日
赤い夕陽の渡り鳥 1960年6月29日
大草原の渡り鳥 1960年10月12日
波濤を越える渡り鳥 1961年1月3日

つまり、小林旭の渡り鳥シリーズと赤木圭一郎の拳銃無頼帖シリーズが、入れ替わり交代で製作されているわけだ

当時のプログラムピクチャーの量産体制の目まぐるしさがうかがえる

出ずっぱりは宍戸錠というわけだ

ギターを持った渡り鳥で殺し屋ジョージを演じた宍戸錠が本作では、ほぼそのままのキャラでコルトの銀として登場する
どちらかといえば赤木圭一郎より、宍戸錠の役の方がキャラが立っており、まるで彼をメインにしたスピンオフ作品といった印象すらある

しかし渡り鳥シリーズよりも、ハードボイルドな内容を目指したのだろうが、まあ、お話がつまらない
脚本も構成もまるでだめ
演出もよくない
赤木圭一郎がお目当てなら我慢できるだろうが、そうでなければつらい退屈な時間を過ごさないといけない

赤木圭一郎が歌う主題歌も流れるが、これがまた下手くそでげんなりする

宍戸錠の殺し屋コルトの銀ぐらいしか楽しむところがない

浅丘ルリ子も単に出ているだけで、小林旭との共演で見せるようなケミストリーはまるでない

従って次作では、もう少しテコ入れがなされることになる

宍戸錠のコルトの銀に免じて星一個オマケ

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あき240

3.0日活ムード・アクションの王道!

2014年1月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

赤木圭一郎の1960年の作品。
21歳の若さで事故死した赤木圭一郎にとって、唯一のシリーズ作。第1作目。

相手を殺さず、相手の肩を射ち抜く事で有名な“抜き射ちの竜”こと剣持竜二。暗黒街のボスに気に入られ、用心棒となった竜は、対立する麻薬組織との抗争に巻き込まれていく。

一番の見所は、竜と、宍戸錠演じるライバル“コルトの銀”との戦い。
シリーズが進むにつれ、この二人のコミカルな掛け合いが人気になるそうだが、本作ではまだまだ至ってシリアス。
ストイックな赤木圭一郎と、ふてぶてしさたっぷりの宍戸錠。お互い男惚れし合いながらも対立する様は定番だけど、この二人にしか出せない味がある。

男の哀愁、美女、ライバル、悪漢一味…日活ムード・アクションの王道!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
近大

他のユーザーは「拳銃無頼帖 抜き射ちの竜」以外にこんな作品をCheck-inしています。