無法者の島

劇場公開日:

解説

平田一倍の原作“牛鬼の町”を、「流転(1956)」の井手雅人が脚色した、闘牛をめぐる男の意地と恋の物語。監督は「恋と金」の枝川弘、撮影は「火花」の渡辺公夫。主な出演者は「火花」の鶴田浩二、「浅太郎鴉」の黒川弥太郎、「人情馬鹿」の角梨枝子、「チエミの婦人靴」の青山京子、「裁かれる十代」の加東大介など。

1956年製作/93分/日本
劇場公開日:1956年6月1日

ストーリー

四国の南端。平家の落武者が住みついたという、入江に囲まれたこの集落は闘牛で名高い。今日も集落には牛市がたち、雑沓を極めていた。岬のゴンゾが出した黒牛“大天狗”は五万の高値を呼んだが、人並はずれた腕力と体躯の持主、博労の兵が半値以下で強引にひいて行ってしまった。だが乱暴者の兵も、闘牛の勧進元で旅館も兼ねている陣屋の女主人常代には、柄にもなく恋心を抱いていた。ある日、この村へ都会風俗の青年が降り立った。一計を案じた駐在の井原巡査は、とぼけたこの青年を行方不明で柔道六段の加川七郎に仕立て兵に対抗させようとした。青年と何度か会う内に心を惹かれるようになった兵の妹芳子は、柔道六段が何だとはやる兵を必死になだめた。そのせいか次のせり市で一番良い牛が陣屋の手に落ちても兵は青年に手出しせず兵に気のある常代を落胆させた。せり市が終っても村を去らない青年に慌てた巡査は、芳子に青年の正体を知らせ逃げろとすすめてくれと説く。その甲斐あって翌朝の船に乗り込んだ青年は、その晩、ずぶ濡れ姿で兵の家に現われて芳子が与えた金を返し、闘牛で陣屋の牛が勝ったら芳子をくれと申込んで二人を驚かせた。さて牛祭りの日、青年の身を案ずる芳子の心配もよそに、陣屋の“黒潮”は兵の“大天狗”を倒した。のっそりと立ち上った兵の挑戦に応えた青年は村人一同の前で意外にも兵を散々投げとばし、結局は二人共フラフラになってしまう。だが加川七兵衛の出現で青年は本物の加川七郎と判り巡査は呆然とした。闘牛の収益で分教場の増築も実現し、七郎は彼に惚れ込んだ兵と親爺七兵衛の許しで、芳子を連れて東京に戻ることになった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「無法者の島」以外にこんな作品をCheck-inしています。