風流交番日記

劇場公開日:

解説

中村貘の原作を「森繁のデマカセ紳士」の須崎勝彌が脚色し「人間魚雷回天」の松林宗惠が監督、「三等社員と女秘書」の西垣六郎が撮影を担当した。主なる出演者は「やがて青空」の小林桂樹、「朝霧(1955)」の志村喬、「三等社員と女秘書」の宇津井健、「次郎物語(1955)」の阿部寿美子、「柔道流転」の安西郷子、「ジャンケン娘」の高田稔など。

1955年製作/91分/日本
原題または英題:Policeman's Love
配給:新東宝
劇場公開日:1955年11月8日

ストーリー

国電S駅前の交番に、一目でそれと知れる田舎娘がやって来た。隣村出身の和久井巡査に、東京で働くことになったとマツが挨拶にきたのだが、和久井巡査は交番荒らしの札つき美人に百円捲き上げられてしまうほどのお人好しだ。同僚の花園巡査は、質屋の娘、そば屋の娘、本屋の娘、旅館の娘……と増える一方のガール・フレンドを利用してはグングン点数を稼いで行く。この交番にはほかにニュー・フェイスの谷川巡査と大先輩の大坪巡査がいる。組長格の大坪巡査が近頃成績が最低ベースにも達しないのは、一人息子の家出以来めっきり老け込んだせいらしい。それでも老巡査は、息子を探すのには都合のよい交番勤務に満足しているのである。ある日、和久井巡査は戸籍調べでピアノを弾く令嬢に心を惹かれるが、それから数日後、教会から結婚式を挙げたばかりの令嬢が新郎と相携えて出てくるのを見かけ、わが恋は終りぬと呟くのであった。やがて国電ガード下で夜の女の一斉検挙があった夜、和久井巡査はユリと名をかえたマツに再会して感慨無量だった。だが暫く経ったある日、マツは犯人捕縛に一役買って和久井巡査を喜ばせた。このころ、大坪巡査の息子の行方も判った。「心を入れかえて一生懸命働いています」という便りが、北海道から届いたとき、この老巡査はうれし涙にくれた。花園巡査の栄転でこの交番も一人減ったが、残された三巡査は今までになくハリきっている。

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