リオの情熱
劇場公開日:1955年7月12日
解説
「明日の幸福」と同じく長瀬喜伴の脚本を瑞穂春海(海の若人)が監督する作品で、南米のリオ・デ・ジャネーロにロケして製作された。撮影は「花のゆくえ」の三村明の担当である。主演者は「母の曲」の木暮実千代、安西郷子、「ノンちゃん雲にのる」の藤田進、「僕は横丁の人気者 二部作」の大木実などである。
1955年製作/92分/日本
原題または英題:Romance in Rio
劇場公開日:1955年7月12日
ストーリー
南米空路に日航機が初めて就航することが決まったとき、スチュアデスの加島美奈子は志願してそれに乗ることにしてもらった。彼女の父謙太が、彼女が六歳のときブラジルに渡り、今ではリオの郊外で大農場を経営しているからであった。部長の内諾を得た美奈子は早速その報を父に知らせたが、一方リオでは謙太が大弱りだった。というのは、娘には黙っていたが、実は彼は自分のコーヒー園で失敗し、今では三輪俊介の農園の使用人であったからである。日本人クラブSAKURAのマダム珠江は、謙太に何くれとなく心を使ってやるのだった。間もなく美奈子の乗る日航機はリオの空港に着き、会わないつもりだった謙太も、テレビで娘の振袖姿を見ると、たまらなくなって飛行場へ駈けつけた。そして彼が娘と再会したとき、三輪は謙太を農園の主人であるように話してやった。そして、どうせ美奈子が帰るまで暫くの間だから、その間謙太を農場主に見せかけてもいいのだと彼に語り、丁度帰って来た息子勉にはそうする様に承知させる三輪であった。勉は美奈子の案内係をしたが、その間この可憐な日本娘をいとしく思う様になった。其夜、美奈子が父に一緒に暮してくれるようにと頼んだとき、謙太はこれ以上隠しきれず、自分の現在の境遇を打明けた。それでも矢張り一緒に働きたいという娘を、謙太は感激して抱きしめた。勉は美奈子に愛を告白し、二人は結婚を誓った。やがて飛行機は美奈子の希望を乗せて飛立って行った。