鉄腕涙あり

劇場公開日:

解説

朝倉文治郎の原作を「安五郎出世」の西亀元貞が脚色し、「夕立勘五郎」の滝沢英輔が監督している。撮影は「喧嘩駕篭」の藤井春美、音楽は宝塚音楽部が担当している。出演者は「黒帯嵐」の杉山昌三九、「血闘(1953)」の霧立のぼる、山口淑子の推奨で「抱擁(1953)」にデビューした新人平田昭彦、宝塚歌劇の宇治かほる、白雪式部のほか、小林重四郎、大原二郎、堺左千夫などである。

1953年製作/61分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年10月27日

ストーリー

終戦直後の混乱の時代、関東大学の学生西川龍作とその恋人勝子は、映画見物の帰り、町の与太者疵政一味に襲われ、龍作は無力の悲しさ与太者達に叩き伏せられ、勝子も暴力のため貞操を奪われた。龍作はこの世の不正な暴力に抵抗すべく、大学の空手部に入会し、友人鯉淵と共に精進した。苦闘三年、復讐の鬼と化した龍作は今や副将格として城南大学との対抗試合に迎わんとしていた。大学研究室の東野教授の娘幸子は、龍作の雄姿に好意の眼を注いでいた。アルバイトの消毒屋を鯉淵と始めた龍作は、特飲街で勝子と再会するが、疵政の部下の安田の情婦に転落していた勝子の態度はそっけなかった。龍作は安田と喧嘩して自ら学校を退き、返らぬ勝子の昔の姿を偲んでは荒れるにまかせた生活を送った。しかし、孤独の龍作を学校の対校試合に迎えるべく、鯉淵及び幸子の懸命な努力は実を結び、不摂生な生活から脱皮した龍作は試合に備えて熱烈な練習に励んだ。対抗試合は龍作の頭上に勝利の栄冠が輝き、明るい賞讃と激励の言葉に更生への第一歩は踏み出されたが、執拗な疵政、安田達は勝子の名を借りて、呼び出しをかけた。単身乗り込む龍作の許へ、委細を知った勝子は必死に馳けつけた。それは最後迄瞞された彼女の怒りの爆発であり、疵政達を前に龍作の鉄腕は次第に殺気を含んでいった。卑怯な疵政はピストルを出した。勝子はこれを阻止しようとして銃弾に倒れたが、疵政も勝子に射殺された。生きのびた龍作は幸子の温い手に迎えられ空手に学業に励むのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「鉄腕涙あり」以外にこんな作品をCheck-inしています。