浅草四人姉妹

劇場公開日:

解説

製作には「恋の応援団長」の坂上静翁が当り、「東京の恋人」の井手俊郎に橋村美保が協力して脚本を書き、「四十八人目の男」の佐伯清が監督している。撮影は「恋の応援団長」の横山実。出演者の顔ぶれは「若き日のあやまち」の相馬千恵子、「東京の恋人」の杉葉子、沢村貞子、井上大助、飯田蝶子、「喧嘩安兵衞」の関千恵子と二本柳寛、「現代人」の山村聡のほか、俳優座の岩崎加根子や三島雅夫などである。

1952年製作/84分/日本
劇場公開日:1952年8月7日

ストーリー

浅草の小粋な小料理店「お獅子」を経営する藤吉と梅子の夫婦には四人の娘があった。長女美佐子は女医、次女幸子は好きな踊りを看板に自前で出ている芸者、三女千枝子は洋裁家志願の明朗な娘、四女恵美子は婦人代議士になるという高校生。夫婦にとって男の子が一人もいないことはちょっと淋しいが、四人の娘が自慢でないことはない。美佐子は、持ち込まれる縁談にふりむきもせず、病院の同僚の田中の好意にも、いつも反ぱつして喧嘩ばかりしている。幸子は、「まり千代姐さん」のようになるまではと、芸道一筋に生きているが、妻子もある村川の親切が、胸にしみなくもない。その村川の後援で、「東おどり」衣裳万たん出来たが、ふとした病気で村川は死んでしまう。千枝子は盲腸の手術を田中にして貰ってから彼が好きになる。病院の創立二十周年記念祭で田中のネルソン提督に対し、美佐子はハミルトン夫人に扮装するが、一夜すぎれば美佐子の態度は相変わらず冷たく、その反動で田中は急激に千枝子に傾き、結婚することになる。美佐子にとってこれは思いがけないことで、村川を失った悲しみを堪えて「お夏狂乱」を踊る幸子の踊姿に彼女もたまらなくなってひとり先へ「お獅子」へ帰り、酒を飲んでいた。そこへ急患の知らせに、彼女は気をとりなおして、元気に往診へ出て行くのだった。

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