母子鶴

劇場公開日

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解説

米田治の企画で、川口松太郎の雑誌『平凡』に掲載された原作から「母山彦」の館岡謙之助が脚本を書き、同じく小石栄一が監督に当たっている。撮影も同じく姫田真佐久である。出演者は「母山彦」の三益愛子、「生き残った弁天様」の宇佐美諄、「猛獣使いの少女」の江利チエミ、「娘初恋ヤットン節」の白鳥みづえの他、若尾文子、鳩えり子、鶴田六郎、久保幸江などである。

1952年製作/92分/日本
配給:大映

ストーリー

十数年前、浅草六区で鳴らした松旭齋天花という女奇術師があった。本名を辻信子といい、大学の建築家の学生笠原史郎と恋仲になり、映子とマリ子の二人の子供までできたが、信子の母お直は笠原との結婚をどうしても許さないのであった。信子は相変わらず二人の娘を曲芸の種っ子に使って舞台に立っていたが、笠原が大学を出て建築会社へ就職した年、けがをして入院した映子を笠原の手に残して信子が北海道の巡業に出たのが最後となり、笠原の急な出征などがあって、この親子は二人ずつ別れ別れになって消息を絶ってしまった。終戦後、いち早く復興した熱海の町を流して歩く、三人組の芸人があった。信子とマリ子と、二人に同情するアコーディオン弾きの立川だった。ある日一軒の別荘へ呼ばれていった三人は、その家の立派さに驚いたが、信子はその家の美しい令嬢を見てさらに驚いた。映子だったのである。この家の主人はもちろん笠原で、今では立派な妻もあった。信子は映子の将来を考え、逃げるようにしてその家を去ったが、事情を知ったマリ子も信子の元を去ってしまった。信子が昔の知人である曲芸師ハリーの娘光子のつてで舞台へ返り咲いたのはそれからまもなくだったが、うらぶれた彼女に昔の面影はなかった。ある日客席にマリ子の姿を見た彼女は思わずうわずって奇術の手をとちったが、この時マリ子は舞台へ駆け上って歌いまくり、信子の失敗を救うと同時にやんやの喝采を博した。マリ子は信子の元へ帰ってきたのだった。舞台の上の母娘の瞳には涙があふれていた。

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