第六の容疑者
劇場公開日:1960年11月29日
解説
南条範夫の同名小説を、「大岡政談 魔像篇」の高岩肇が脚色し、「太陽を抱け」の井上海次が監督した推理映画。撮影担当は「がんばれ!盤嶽」の岡崎宏三。パースペクタ立体音響。
1960年製作/107分/日本
原題または英題:The Rockabilly Lady
配給:東宝
劇場公開日:1960年11月29日
ストーリー
ユスリ屋工藤は、関西ボイラーの社長秘書になりすました以前の情婦輝子を見つけた。そして、輝子の情事をさぐっているうちに、いろいろのネタをさがしあてた。--東京出張を間近かにひかえた関西ボイラー社長の高山に輝子を随行させようとしている戸山専務は社長の失脚を狙っていた。営業部次長の山崎は社長令嬢芳子と婚約していながら輝子とよろしくやっていた。経理課員の有馬は芳子に好意を抱いていた。社長の弟啓三は経理課長で平和な日々を送っているかのようだが、女給満子との暗い過去に悩まされ、その満子から子供をタテに金をゆすられていた。満子の兄安蔵は関西ボイラーの倉庫係となっていた。啓三の妻千恵子は、週刊誌の編集長藤村と関係があった。--工藤は六甲の山荘で輝子と意外な男が一緒なのを見た。大きな獲物と喜んだ。が、翌朝彼は死体となって発見された。前夜、工藤の部屋を訪れた容疑者は五人いる。第一は、会社内の裏幕を暴露され怒った、被害者と同じアパートに住む有馬。第二は恐喝された藤村が依頼したチンピラの満田と八百板。第三と第四は、満子への金策に窮して会社の製品を横流ししていた啓三と、共謀していた倉庫係の安蔵。第五は、輝子との情事を知られている山崎。しかし、この五人の容疑者はアリバイがあった。最後に彼の部屋に入った第六の容疑者である犯人は--。そんな時、背任横領と殺人容疑、そして妻の不貞という重荷に耐えかねた啓三が逃亡した。倉本刑事は背任横領罪で安蔵を、工藤殺害の共犯として山崎を逮捕した。だが、新聞記者の石岡は、殺人のあった夜、千恵子が工藤のアパートを探していたことを聞きこんだ。千恵子は、工藤の部屋に女の人影らしいものを見たという新しい証言をした。石岡は、事件当日社長と出張中というアリバイを持った輝子のことが気にかかった。輝子が社長より遅れて東京に着いていたことが分った。輝子は失踪した。彼女は六甲の別荘で死体となっていた。その時、別荘に姿を現わした啓三が逮捕された。だが、真犯人は意外なところに--。