講道館破門状
劇場公開日:1968年5月18日
解説
「大悪党」の石松愛弘と「若親分を消せ」の浅井昭三郎が脚本を担当し、「陸軍中野学校 開戦前夜」の井上昭が演出したアクションもの。撮影は「とむらい師たち」の宮川一夫が当った。
1968年製作/84分/日本
原題または英題:The Violent Judorist
配給:大映
劇場公開日:1968年5月18日
ストーリー
昭和二十三年、特攻隊の生残り桜田功が家へ帰還した時、父桜田組親分万造は戦災死しており、母の房代が代貸立花と共に、外国人やくざ新生会から、辛うじてシマを守っていた。功には異母兄正夫がいたが、近く板倉商事社長令嬢澄子と結婚することになっていた。房代はその機会に、桜田一家を然るべき親分に譲り、功との二人暮しを願っていた。だが、功は、房代の考えに反発し、家を飛びだしてしまった。ある日功は、闇市で外国人やくざからみどりを救った。みどりは戦災孤児で、足の不自由な弟守を養って、一所懸命に生きていた。功はみどりの健気な態度に、暖かい心の触れあいを感ずるのだった。次の日、功は外国人に襲われた。その危機を救ったのは、予科練時代の彼の恩師関根だった。関根は敗戦による日本武道圧迫の中で、講道館柔道の復活を信じ、自らは粗末な町道場を開き、質素高潔な暮しを立てていた。功は関根の道場に寄宿し心身の錬磨に励んだ。そんな折、功は弟分で闇屋をしているサブから、兄の婚約者燈子が米軍将校の情婦だったことを知らされた。板倉はその澄子を養女にして、進駐軍との取引の道具としていたのだった。怒った功は、関根の忠告を無視して、正夫と澄子の結婚式場へ乗り込んだ。そして、新生会を操り桜田一家のシマを狙う板倉の正体をあばいた。悪辣な板倉は正夫を軟禁し、その引換えに桜田一家のシマを要求した。毅然とその条件を拒否した功は、正夫と単身義理の子正夫を救出に行った房代を、多彩な柔道の技で新生会から救った。だが功は、柔道を暴力に使ったかどで、講道館から破門を言い渡されてしまった。一方、みどりは急病で倒れた守の手術代捻出のために、肉体を売る覚悟を決めていた。それを知った功は、柔道対拳闘のショウに出た。この勝負はGIの拳闘が勝つ仕組になっていた。しかし、興行師の勝負は筋書通り運ばなかった。みどりは金のかわりに教本の花を持って来た功を優しくねぎらった。関根から、多額の金が届けられたのはそんな時だった。守は危機から脱し、関根から破門をとかれた功は久しぶりに喜色を満面に浮べていた。