日本仁侠伝 花の渡世人
劇場公開日:1966年6月15日
解説
「鉄火場仁義」の甲斐久尊がシナリオを執筆、「賭場の牝猫 捨身の勝負」の野口晴康が監督した仁侠もの。撮影は「東京は恋する」の上田宗男。
1966年製作/79分/日本
原題または英題:Glory of a Gambler
配給:日活
劇場公開日:1966年6月15日
ストーリー
徳川時代からの由緒ある“め組”の頭、文二郎は、一人娘のお初と一番纒の直吉と世帯をもたせて跡目を継がせようと思っていた。しかしお初は纒の清二に想いを奇せていた。清二は、め組の請負っている建築工事が悪徳ヤクザの松木組の邪魔を受けていることに腹を立てて、単身松木組に殴り込みをかけた。得意の武器、手釣で松木組を倒した清二は、しかし、め組を破門されてしまった。お初はそれを悲しんでいたが、清二はお初と直吉の幸福を祈って旅に出ていった。それから三年の間、清二は仁侠に命をかける歳月を送った。ある日、お初にそっくりな遊女に会ったことから、お初恋しさに清二は再びめ組に帰ってきた。お初は涙を流して喜んでくれ、病床の文二郎は破門解いてくれたが、め組はすっかり落ちぶれていた。再び勢力を盛り返した松木組が今や街を牛耳っていたのだ。直吉はめ組を裏切って松木組の代貸しになっていた。清二は直吉に帰ってくれるよう頼んだが無駄だった。そして、松木組と清二の間に再び、険悪な空気が漲った。折りも折り、清二が旅の途中で野田組のイカサマ賽を見破ったことから、清二を狙う野田組の刺客が松木組に草覆を脱いだ。そしてついに、清二に果し状が届き、清二は白鞘を手に単身芦田ケ原に出かけていった。松木組と刺客は多勢で、清二ひとりに向ってきた。だが苦戦する清二に加勢したのは何と直吉だった。やがて、いろは四十八組の纒の下に勢揃した、喧嘩仕度の鳶たちが、駆けつけてきたが、その時、清二の白鞘は松木を倒していた。松木組を一掃した清二はめ組頭を勧められたが、それを断って再び旅に出ていくのだった。