新鞍馬天狗
劇場公開日:1965年9月18日
解説
大佛次郎の“鞍馬天狗”を、「女めくら物語」の相良準三と「若親分出獄」の浅井昭三郎が共同で脚色、「眠狂四郎魔性剣」の安田公義が監督した“鞍馬天狗”シリーズ第一作目。撮影は「眠狂四郎炎情剣」の森田富士郎。
1965年製作/77分/日本
配給:大映
劇場公開日:1965年9月18日
ストーリー
動乱の幕末、京洛の巷では、連日、倒幕に命を賭ける各藩の志士たちと新選組との死闘が展開されていた。そして、その闘争の最中、忽然と現れて志士たちを助け、またどこへともなく姿を消す覆面の武士、それが鞍馬天狗であった。新選組は、そんな怪人物の正体をつきとめようとやっきになっていたが、当の鞍馬天狗こと倉由典膳という浪人は、路地裏の荒物屋に二階を借り、近所の子供たちに習字を教えて、のんびりと生計を立てていた。そんなある日鞍馬天狗は、壬生の屯所に捕われた長州藩士を救わんとして、見張をしていた新選組隊士舟曳休之助を斬ってしまった。ところが、この休之助の姉おとよは典膳がいきつけの小料理屋“ふか川”の女主人で、典膳に秘かな思慕をよせていた。が、休之助斬殺の知らせを聞いたおとよは、典膳と鞍馬天狗が同一人物と知らぬまま天狗を激しく憎んだ。一方江戸から老中の指令を受けて京都に潜入した元大目付宗像左近は、秘密諜報組織を作って活動を開始した。その間天狗は、ふとしたことから親方に追い出された角兵衛獅子の少年杉作を助け、家に引取った。そしてある夜鞍馬天狗は、お高祖頭巾に姿をかくしたおとよに撃たれて手傷を負った。おとよも、天狗の正体が典膳と知ってがく然とするのだった。そのころ天狗は、左近の諜報機関が諸藩の動静をこと細かにしたためた人別帖を大阪の幕府方に差し出すことをかぎつけ、単身密使を斬り、密使になりすまして大坂城に潜入した。しかし密書は奪ったものの、天狗は正体を暴露され、絶対の危機におちいった。が、この危機を救ったのは、敵の油断をみすまして城内に入りこんだ杉作であった。杉作の力で愛馬を奪い返した天狗は、近藤勇の必殺剣をかわし敵の包囲を突破し、密書を桂に渡してまたどこへともなく姿を消していった。