間諜(1964)

劇場公開日:

解説

長谷川公之と宮川一郎の原作を「人生劇場 新・飛車角」の沢島忠と中島貞夫、鳥居元宏が共同で脚色、沢島忠が監督した時代劇。撮影は「大殺陣」の古谷伸。

1964年製作/104分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年9月16日

ストーリー

徳川末期、阿波蜂須賀藩を中心に、倒幕の陰謀ありと探知した幕閣は、三人の間謀、南、佐々木、松山を四国へ送った。が、これを事前にキャッチした阿波藩隠密取締り役、三田村軍十郎を中心とする阿波間諜は、巧みな情報網を張り、秘密を守ろうとした。南らの第一の目標は、以前潜入したまま行方不明になった間諜吉岡をみつけ出すことだ。南は徳島城下にある賭場で、吉岡が藍工場に向ったまでの足どりを得た。佐々木が藍工場に忍び込んだが、捕えられ、拷問を受けた。一方勘定奉行波藤が指揮する地下工作は着々と行われ、阿波踊りの混雑を利用して武器弾薬を輸送し、さらに佐々木、吉岡を囮に幕府間諜一掃をもくろんだ。それを知ってか知らずか、血気にはやる松山は、佐々木救出を計った。待ちかまえていた鉄砲隊の銃が火を吹こうとした瞬間、南がかけつけ、群衆を利用して、鉄砲隊を錯乱させ、佐々木を救い出した。佐々木の報告によれば、阿波踊りの三日間こそ、三人に与えられた最後のチャンスなのだ。一刻の休息も許されない。南は御船蔵探策にあたり、佐々木と松山は再び藍工場に潜入した。この藍工場こそ、火薬倉なのだ。藍職人の中にもぐりこんだ佐々木は、火薬庫を爆破したが、自身も自爆して、果てた。また松山も船着場の軍船爆破に成功した。一方南は御船蔵に忍び入り、ひん死の百姓から、秘峰西ケ峰に大掛りな秘密工作場がある事を聞き出し、南とともに西ケ峰に向った。夜を待った南は、自分を囮に松山を敵陣に潜入させた。南は捕われ、拷問のすえ斬殺された。松山は、そのすきに火薬工場を爆破した。二人の先輩を失った松山の心は暗かった。が、そんな彼にまた次の任務が待っていた。

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