悪坊主侠客伝

劇場公開日:

解説

大西秀明、河合勝巳、西村政治が共同でシナリオを執筆「めくら狼(1963)」の大西秀明が監督した任侠もの。撮影は「宮本武蔵 一乗寺の決闘」の吉田貞次。

1964年製作/86分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年6月20日

ストーリー

盲目の鉄心が、名古屋警察署武道大会で、十円の懸賞をとったことは、会場の人々の目を見はらせた。特に、村山幻鬼を始めとする師範にとっては、面白からぬことであった。帰途、鉄心は何名かの幻鬼一味に襲われたが、どこからともなく現れた、黒マントに、ステッキを巧みに使う、死神源次の出会いは、お互いの心に深く残った。数日後、大阪に出た鉄心は、途中で、監獄から出たばかりで、金に困る長吉に十円めぐんでやるという義狭心を示した。彼は、七年前迄、大阪の常念寺の了然和尚のよき弟子であった。だが“仏の市兵衛”と呼ばれるやくざ親子の、墓参で、読経をしてやったことが、鉄心の運命を狂わせた。その日、市兵衛は安藤武平太という流れ者に斬殺されたのだ。その場にいた鉄心は、犯人の顔を見たという罪で、目を斬られた。鉄心が常念寺に着いた頃、死神源次は、大阪で黒田組の幹部、伊太八に言い寄られていた、お園と一緒に、常念寺に来た。奇しくもこの寺で再会した鉄心とお園、七年前父の側にいた幼い娘が、このお園なのだ。源次は傍らで、お園の顔が、かって自分が殺した女房お俊とそっくりなのに驚愕し、いつか自分のものにしたいと思った。復讐に一途の希みをかけている鉄心は、武平太が九州飯塚に居ることを知って、旅へ出た。死神も、黒岩組の命令で後をつけた。同じ汽車には、鉄心を心配するお園も同乗していた。了然和尚の紹介で、お春を訪ねた鉄心は、偶然、長吉とめぐりあった。鬼熊一家に、刀を預ける武平太を、ついに斬った源次は、長吉の世話を受けて、久しぶりの平和な日を送っていた。お園も、鉄心の身のまわりの世話をかいがいしくしていた。だが長吉は、鬼熊一家の計に陥ちて、爆死した。ついにど根性を発揮した鉄心は、お園のとめるのもきかず、鬼熊の果し合いに走った。たまりかねたお園は、隣家ですきを狙う、源次に、鉄心と自分をひきかえに、助っ人を頼んだ。ボタ山の喧嘩場で、立派に役目を果して、鉄心の命を守った源次が、お園をつれてゆこうとした時、鉄心の仕込杖は鮮やかに源次を倒していた。鮮血に染った源次の顔、お園の絶叫する声が、響いていった。

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