若様やくざ 江戸っ子天狗
劇場公開日:1963年9月21日
解説
「てなもんや三度笠」の野上龍雄がオリジナル・シナリオを執筆、「忍者秘帖 梟の城」の工藤栄一が監督した人情もの。撮影は「右門捕物帖 蛇の目傘の女」の鈴木重平。
1963年製作/91分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年9月21日
ストーリー
お役所仕事に嫌気がさして息き抜きの度が過ぎた町奉行影山家の若さま源之丞は、父将監の逆鱗にふれ、勘当された挙句深夜の町に追い出された。数日後、町人姿に身を変え、名も源さんと改め、長屋住いを始めた。ここに住む菊造が源さんに金を借りに来たとき、酒を呑んでいたのと、他の連中が源さんに金を借りてはバクチをしていたということを知ったので、追い帰してしまった。だが借金を断ったことが原因で菊造の娘おしのが女郎屋に売られたことを知った源さんは、おしのを請出して長屋に帰るが、菊造は首を吊って死んでいた。菊造の死は源さんが原因だと長屋の連中は怒るが、家主の娘おさよのとりなしとおしのを連れ帰ったことで源さんと長屋の連中の気持はしっかり結ばれ、バクチを打った若者も心を入れかえた。この白魚長屋は札差辰巳屋惣兵衛が糸を操り、芝崎の熊五郎一家を使って住人を立ち退かせ、若年寄の犬飼周防守の別邸を建てて御気嫌をとろうとしていた。これは源さんがよく調べてみて長屋の連中全員に借金のあることを知って怪しいと思ったからであった。源さんは対抗策として長屋全員の借金を肩がわりして自分の名義にしたが、これに対して辰巳屋は周防守から源さんの父将監に圧力をかける策を取った。そして目明しを使って前科者の長屋の住人柳吉をおどかし、大家の印を盗み出して、土地売り渡し証を作り、強引に長屋のとりこわしを始めた。これに対して源さんは、影山家の運命をかけて、長屋の連中と協力、辰巳屋と対決するのだった。