浅草の侠客
劇場公開日:1963年7月31日
解説
「銀座の次郎長」の松浦健郎が脚本を執筆、「柔道一代」の佐伯清が監督したやくざもの。撮影は「恋は神代の昔から」の三村明。
1963年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年7月31日
ストーリー
雷門礼吉は浅草一帯を縄張りに持つ親分だったが、病気で倒れて以来、今では幹部のひょうたん金助が裏切って作ったひょうたん一家に縄張りを横どりされ、鉄男、お恵の兄妹がやっている今川焼屋の二階にたった一人の子分千吉と居候をしていた。千吉は腕力も度胸もケタ外れ、ひょうたん一家の縄張りで堂々と艶歌師をやりながら親分を養っている。ある日、千吉は、名古屋から流れて来たという新介を、ひょうたん一家とのゴタゴタから救って、オペラ座の座長潤子にあずけた。潤子には秋田からの家出娘道子も預かってもらっているが、今では道子はオペラ座の人気者だ。道子は千吉に仄かな恋心を抱いていた。千吉も道子が好きなのだが、自分の思いをなかなか打明けられないでいた。夏も過ぎた頃、礼吉親分が死んだ。通夜には全国から親分衆が集った。金助は片腕の銀次を名代に立てた。千吉は銀次とは敵同士ながら、何かと気を配って銀次の男の立つよう世話してやるのだった。おかげで銀次は親分衆の中で恥をかかずにすんだ。お恵は千吉に惚れていた。そのため道子には、敵慨心を持ち、自分達は夫婦だと嘘をついた。傷心の道子は新介と結ばれた。何も知らない千吉はがっかりするが、心から道子の幸せを祈ってやるのだった。そんななかに、名古屋からしゃちほこ一家の殺し屋がひょうたん一家に草鞋をぬいだ。新介はしゃちほこ親分の女に手を出していたのだ。新介に呼び出しがかかった。青くなる新介に、千吉は新介と道子を浅草から落してやり、単身ひょうたん一家に向うのだった。