人斬り市場

劇場公開日:

解説

「花と竜(1962)」の井手雅人が脚本を執筆、「悲恋の若武者」の西山正輝が監督した時代活劇。撮影は「忍びの者」の竹村康和。

1963年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1963年3月8日

ストーリー

江戸時代も末の長崎、ここは異国情緒にはなやぐ表とは逆にヤバイがボロイ仕事が一杯の犯罪天国の趣があった。吹き溜りの安宿、膳を囲みながら空中のハエを箸で摘んでいるのは鵬一平、びっくりしている二階堂平馬の頭上で刀が一閃した。真二つに斬られたハエを手にして傍に立った男は雲切陣十郎。そこへ寅が一人百両といういい仕事をもってきた。祭りの日、唐人踊りに湧きかえる境内で陣十郎はこともなげに殺った。陣十郎を追う町方は一平の刀に血を塗って終った。その足で登った丸山遊廓でのお大尽遊び、消した相手が貿易商の主人と聞いて何か考えている風の一平は売れっ子あざみに寄り添われても興がのらない。そこへ呼笛が鳴って御用提灯の海、一平たちの懐中の礼金に刻印があったのを見てあざみが通報したのだという。巧みに逃げおおせた、と間もなく人殺しの騒ぎ、死人は例の刻印入り小判をもっていた。数日後、唐船の修理小屋に寅とその相棒の死体が転がっていた。奉行所の蔵に抜荷の山が積んであると地獄耳の陣十郎が嗅ぎつけてきた。一平、陣十郎の奇妙なコンビはやっとの思いで宝の山に入りながら役人に発見されて、一平はあざみの部屋へ、と彼女だし抜けに江戸へ連れて行ってくれと言い出す。女の直感で一平を役人と看破ってのことだ。正体もなく酒をあおって数刻、眼覚めた時は槍の穂先に囲まれていた。白洲の吟味は酷烈を極め秘密を感づかれた今、監物が強硬に拘留を主張して牢に閉じ込めた。一平を密告したものの平馬が銀一万両の仕事を持って来、この大仕事一平あっての話と言われてつり込まれた陣十郎、平馬ともども牢破りを敢行した。が、救い出された一平の顔は形が変っていた。銀一万両の大仕事の相手は奸智に長けた奉行一党、どうせ一筋縄ではゆくまいが長崎の街に血の河が流れるのだけは誰も押し止めきれないだろう……。

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