色の道教えます 夢三夜

劇場公開日:

解説

週刊新潮連載の五味康祐の同名小説の映画化。「鯉名の銀平(1961)」の犬塚稔が脚色、「木曽ぶし三度笠」の加戸敏が監督した。撮影は「お馬は七十七万石」の牧田行正。

1961年製作/75分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年10月11日

ストーリー

◇第一話上意討ち◇土屋相模守は家老山田鉄斎立会いの下に、家中の美女の中から夜伽の相手として勇を選んだ。だが勇はこの老君の命を頑として拒んだ。それは、かつて縁組のあった赤尾又兵衛の面影をいまだに抱いていると知った老君は、又兵衛に勇、上意討ちの仕手を命じた。それも、刀を使わず又兵衛が所持する槍をとって仕止めよの命に、又兵衛は鉄斎に教示を仰いだ。わけ知りの鉄斎は、又兵衛に色道を説き勇上意討ちの秘訣を教えた、又兵衛は勇を鼓して勇の屋敷に向かった。◇第二話横笛◇日本橋に豪勢な店を構える菜種問屋浦野屋では、一人娘小夜と、婿養子菊三郎の披露宴が開かれていた。その時、花婿花嫁のいる奥座敷から妙なる笛の音が聞えてきた。不審に思った仲人夫婦が様子を伺うと、小夜は笛を吹き菊三郎は蒲団の上に坐ったままだった。改めてお床入りとなった次第だが、今度は押込み強盗騒ぎが起ってしまった。すっかり神経質になった両人は、その後数日を経てもことごとく不成功に終ってしまった。あわてた父の吉兵衛は、日頃懇意に願っているわけ知りの鉄斎に事情を打ち明けた。粋人の鉄斎は、一日郊外の川に屋形舟を仕立て、二人を招いて一席の宴を張った。そして、菊三郎を呼んで色道の極意を説き、席を外した。陸から眺める鉄斎の耳に笛の音がはたと止るのが判った。◇第三話うわなり打◇常州土浦藩の鬼藤鎮兵衛は、前妻絹を離縁、後妻の加多とも別れようとしていた。加多は素直な女で何事につけ易々諾々としているので、変化を求める鎮兵衛には物たりないのだった。その辺の事情を知った鉄斎は一計を案じ、加多を家に招き酒を呑ませて帰した。酒気を帯びて帰った加多に鎮兵衛の怒りが爆発他行の秘密を告白せよと責めたてるが加多は鉄斎との誓約のためいかなる責めにもたえた。二人の争いは、夫婦生活に一つの灯として喜びがあった。

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