俺の故郷は大西部
劇場公開日:1960年12月27日
解説
野村耕三の原作を、「くたばれ愚連隊」の山崎巌が脚色し、「竜巻小僧」の西河克己が監督した和田浩治のアクションもの。撮影は「大暴れ風来坊」の伊佐山三郎。
1960年製作/63分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年12月27日
ストーリー
西部に名高いワイアット・アープを先祖に持つジョージ・三原は、祖父トムから日本へ行くことを命じられた。トムが第一次大戦のころ世話になった日本軍人松山に十万ドルの小切手渡すためである。羽田空港にはイカサマ慈善団体の役員たちが、ジョージから十万ドルを寄附させようと待ち構えていた。しかし空港からカウボーイ姿の少年を、やはり十万ドルを狙ったOK商会のボス遠藤一味が誘拐して行った。だがこの少年は、空港についたジョージを脅迫して変装した孤児のマリだった。ジョージは、松山の経営する銀座のレストランに行くが店は閉っていた。同じビル内のジャズ喫茶「アリゾナ」の支配人角田は、松山の店がOK商会に乗っとられ、松山が行方不明であることをジョージに教えた。遠藤一味は少年が少女であることからマリを偽物として放り出そうとした。が子分の一人クライトンがマリの胸に手をかけた時、ジョージが現れてマリを救った。マリは、ジョージに化けたのはマスコミを騒がせれば、幼い時別れた兄の達夫に会えると思ったからだと言った。それに同情したジョージはマリを角田の店で雇ってもらうことにした。その話を隣の部屋で立ち聞きしている、遠藤の子分達夫がいたことを二人とも気がつかなかった。翌日、マリは自分の育った孤児院へジョージを連れていった。そこへ、遠藤一味がやって来た。角田の友人である院長もOK商会から金を借りていたのだ。ジョージはポンと五百ドルを投げ出して遠藤一味を追い返した。ジョージは孤児たちのために慈善音楽会を主催した。その当日、クライトンは、マリを人質にジョージに決闘を申込んだ。というのは、クライトンは先祖がOK牧場でアープに亡ぼされたクライトン一世の子孫だったのだ。場所は、富士の裾野である。ジョージは祖父から貰った象牙の拳銃を待って車を飛ばした。ジョージの早射ちは、つぎつぎと子分たちの拳銃をはじき飛ばした。が、遠藤とクライトンにはさみ打ちにされてしまう。金を目的とする遠藤と、復讐を目的とした二人はその時になって仲間割れ、遠藤はクライトンの拳銃に倒される。馳けつけて来た達夫は、何故かジョージの味方になった。彼がマリの兄だったのだ。クライトンはジョージの投縄に縛られた。松山が死んだと判ったいまジョージは十万ドルを孤児院に寄付してアメリカへ帰っていった。それを見送ってマリと達夫がいつまでも手を振っていた。