刑事物語 ジャズは狂っちゃいねえ
劇場公開日:1961年1月9日
解説
刑事物語シリーズの第九話で、「刑事物語 知り過ぎた奴は殺す」の宮田達男の脚本を、「刑事物語 犯行七分前」の小杉勇が監督した。撮影は「よせよ恋なんて」の松橋梅夫。
1961年製作/54分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年1月9日
ストーリー
粉雪の舞う夜、ジャズ喫茶ファンキーの裏口で麻薬売買の常習者サブが殺された。現場に急行した本庁捜査一課の佐藤保郎部長刑事と所轄署の佐藤源造刑事は犯行推定時間にステージを終ったファンキーの専属楽団ファイブジャンプスのメンバーを洗ったが、その中の一人、伸一がジャックナイフで刺殺されるという事件がつづいて起った。ファイブジャンプスのメンバー五人のうち伸一ともう一人、高木を除く三人は麻薬常習者だった。保郎部長刑事は、伸一の実兄でバンドリーダーの五条から、サブ殺しの犯人が伸一であること、理由は五条から麻薬売人を遠ざけようとしたこと、そして伸一が殺されたのはサブの仲間の仕返しであることを聞き出した。つづいて保郎は、サブ殺害を110番に知らせた。当人が高木であることを突き止め、彼の監視を始めた。二つの事件の底にある麻薬--保郎は安キャバレーにもぐり込み、にぎり飯売りの手引で麻薬売買の巣を発見した。そこには麻薬を打たぬはずの高木がいて、中毒患者らしい老人を表へ引っぽり出すところだった。捜査本部は、にぎり飯売りを逮捕、彼の自白で伸一を殺したのは井口軍一という横浜に住む麻薬の総元締と判った。ファンキーに張り込む保郎。高木が新メンバーとして演奏している。片隅にいつか麻薬の巣で高木に引きずり出されて行った老人が坐っていた。と、突然裏口があき、二人の男が老人を連れ出し、血相を変えた高木がその後を追った。二人の男は女の運転する高級車に老人を乗せ横浜万面へ去った。高木の車、保郎たちの車がつづき、やがて深夜の横浜近くの小屋に着いた。高木が物陰にかくれる。保郎は彼の見張りを部下に頼み、自分は小屋の窓に忍びよった。そこには井口と高級車の女がいて、麻薬を横浜発十時半の列車で運ぶと話していた。--横浜発十時半の列車、辞書を抱えた女の後に源造刑事が見張った。一方、小屋の張り込みをつづける保郎の前に高木が再び姿を現わし“お父さん、どこまで心配させるんだ”と老人を連れ出してきた。が、二人は忽ち暴漢に襲われた。しかし高木親子は無事救われた。辞書を抱えた女はナイトクラブに現われた。井口を見つけ傍へ寄った。その前に源造と、駆けつけた保郎が立ちはだかった。逃げようとする井口と女。捕った女の辞書から白い粉が散乱したのだった。