処刑前夜
劇場公開日:1961年2月18日
解説
死刑囚の俳句から、北山河、北さとりが編著した同名ベストセラーの映画化。「少女」の共同脚色者・池田一朗の脚本を、「十六歳」の滝沢英輔が監督した。撮影は「大出世物語」の横山実。
1961年製作/101分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年2月18日
ストーリー
被告高村勇を死刑に処する--の澄江と妹の雪子は法廷で泣きくずれた。男は浪速拘置所に送られた。勇は独房でうなされた--酒屋の店員だった彼は交通事故の弁償金が払えず、思いあまって主人の金に手をつけ、目をさました主人夫婦を惨殺してしまった。他の囚人の処刑が彼を死の恐怖に突き落した。脱走、自殺に失敗した勇は、虚脱状態におちいった。拘置所には勇のほかに松林、金子、児玉の死刑囚がいた。春に金子が処刑された。三人とも意外に冷静だった。二審でも勇は死刑を宣告された。雪子の減刑歎願が始まった。その甲斐もなく最後の上告も却下された。児玉も処刑された。勇は死の恐怖と闘い、苦しみ抜いた末に、心の平静を得た。彼は俳句を習いはじめた。松林も処刑された。雪子は結婚をあきらめて差入れに通った。新しい死刑囚三平とともに、勇の死刑執行指令書が山際所長のところに届いた。雪子と澄江がお別れにきた。ともすると起る激情を押え、勇は二人に別れをいった。朝--彼は処刑室の仏前に坐った。最後の煙草を吸った。死にたくない! 勇の気持は動揺した。それも終った。目かくしをされた勇は看守に腕を取られながら絞首台に向った。--星流れ消えてしまいし果を追う