好色家族 狐と狸
劇場公開日:1972年9月6日
解説
親がまだ死ぬ前から、子供たちがその財産分割で、欲の皮をつっ張らせて起こす大騒動を描く。脚本は「おんな天国 子だね貰います」の宮下教雄監督は「牝猫たちの夜」の田中登、撮影は「雨のヘッドライト」の安藤庄平。
1972年製作/72分/日本
配給:日活
劇場公開日:1972年9月6日
ストーリー
宝田ユメには五人の娘がおり、現在は五女、タマ子と同居している。長女クラ子、次女カネ子、双生児の三女キン子、ギン子の四人は滅多に顔を見せたことはなかった。ところが、ユメがガンで数日の寿命と知った娘たちは続々と集って来た。というのも、ユメの時価二億円相当のダイヤの分配が気かかりだったからである。彼女らは、キン子を除いて、それぞれ、ひと癖も、ふた癖もありそうな男といっしょだった。クラ子は亭主の古田、カネ子は現在失踪中のヤクザの亭主の弟分高森、ギン子は彼女に夢中の畑山である。彼ら、彼女らはユメのダイヤの隠し場所を捜す一方、女房・亭主の陰でセックス・プレイを楽しむのだった。ところが娘たちの思惑とは裏腹に、ユメは食欲も旺盛で娘たちを驚かせる。やがて、ユメを診察したのがニセ医者で、ガンというのは誤診だったということが判明した。ところが、タマ子がユメに知らせに行くと、何とユメは布団の上で大往生をとげていた。強欲なユメは、ダイヤをオブラートに包んで飲んでいるうちに、窒息死したのだった。そのことに娘たちが気づいた時はすでに遅くユメの死体は火葬湯のカマの中へ入れられた後だった。