夜遊びの帝王
劇場公開日:1970年7月7日
解説
これまで日活で「愛と死をみつめて」などを作っていた斎藤武市が「朱鞘仁義 鉄火みだれ桜」に続いてメガホンを取った梅宮辰夫の新シリーズ。従来の梅宮ものとは異なり、純愛色の強いものとなっている。脚本は「真田風雲録」、「非行少女ヨーコ」の小野竜之助が「新兄弟仁義」に次いで担当した。撮影も「新兄弟仁義」の星島一郎。
1970年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1970年7月7日
ストーリー
九州の炭抗町出身の松原浩は、少年院をでるとしばらくの間、炭鉱で働らいていたが、町の呉服屋の娘富枝と知り合い子を宿してしまった。この事が町の評判になり、町に居られなくなった浩は、博多へ出て、バーテンをしながら女を見つけては、次々とヒモにして金を稼がせていた。それから十年--。浩は、少年院時代のダチ公で浅草蛇の目一家の若衆エンコの政を頼って上京して来た。とりあえず、浩は政の情婦で料理屋を営むお清の所に厄介になったが、ある日、風俗嬢に惚れられたのをきっかけに、OLや人妻、未亡人等を次々に騙し、彼女等の金をまきあげていった。遺産を元手にバーをはじめようとしていた艶子は、そんな生活を続けていた浩の腕を見込んで浩にホステスの引き抜きを頼んだ。浩にとってスケコマシはお手のもの、毎晩銀座周辺のバー、キャバレーにかよってはホステスを集めていた。その頃、政も一家の舎弟分だった信男の妹じゅん子を浩に会わせ、ぜひともホステスとして使うよう浩に頼んだ。浩は、自分の境遇と似た、環境に育ったじゅん子を艶子の店のレジ係に預けた。女の子が集まりバーの経営をはじめ結構うまくいっていたが、暴力団城東会のヒモ付きの女に手を出したことから浩は、このことをめぐって組織と対立することになってしまい艶子の店にも城東会会員によるいやがらせが表面化してきた。店が荒らされすっかり弱気になった艶子は、これ以上組織にさからうことをやめるよう浩に言うのだが、浩は、彼女の忠告も聞かず、さらにホステスの引き抜きを続け真っ向から対決していくのだった。勢いにのる城東会は、艶子の店から二重帳簿と人質にじゅん子を連れ出し、店の権利と交換するよう要求してきた。これを知った浩は、不敵な微笑を浮かべながら政と共に城東会の黒幕・安岡等の待つ事務所にのりこんでいくのだった。