喜劇 度胸一番
劇場公開日:1970年4月25日
解説
「太陽の野郎ども」の井上梅次が脚本・監督した喜劇。撮影は「いつか来るさよなら」の長岡博之が担当。
1970年製作/90分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1970年4月25日
ストーリー
弱井三平は片田舎の温泉宿の三助である。やさしい男だが気の弱いのが欠点で、たとえば、この旅館の主人四方吉の妹京子が好きなのだが、手一つにぎれないといった風だ。ある日、三平は女将に誘惑をうけているところを四方吉に見られ、クビになった。そこで、京子は三平に駈け落ちしようともちかけるが、にえきらない三平に愛想をつかして一人で東京に発った。一方、東京にヤクザの親分でスペードのキングという三平に瓜二つの男がいた。スペードは縄張り争いから他の組員に狙われていたが、子分のくらやみの発案で、スペードの替玉を使って命を守ろうと、三平を呼んだ。ここに三平親分が誕生した。ビクビクしながら親分をつとめる三平だが、生来の気の弱さがプラスに作用し、スペードの親分株は急騰した。あるアルサロで三平は酔客にからまれている京子を助けるが、京子はまさか三平とは思わず強いスペードにまいってしまった。その夜、三平は二人の暴漢に襲われ、スペードの部屋に逃げ込んだため、身代りにスペードが射たれ、その傷が回復するまで、常時身代りをする破目となった。そんなある日、ヤクザの出入りをまるく収めたことから三平は美貌の女親分お芳にやくざをやめることを誓い、三平、すなわちスペードとお芳は二人で堅気になることになった。スペードの命をねらっていたのは実は彼の子分三人であったが、その悪党三人も自ら仕かけた罠におちて死んでいった。身代りから解放された三平は、京子とともに故郷の温泉に帰っていった。