トルコ行進曲 夢の城
劇場公開日:1984年1月13日
解説
風俗街として有名な雄琴を舞台に、そこで働く女たちの姿を描く。広岡敬一の雄琴をドキュメントした原作「ちろりん村顛末記」の映画化で脚本は「夜が崩れた」の田坂啓、監督は初めてロマン・ポルノに挑戦する「喜劇役者たち 九八とゲイブル」の瀬川昌治、撮影は「愛獣 猟る」の米田実がそれぞれ担当。
1984年製作/84分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1984年1月13日
ストーリー
日本一のソープランド地帯、ちろりん村こと“雄琴”。ソープランド歴七年、この地で働き出して三年になる風俗嬢のアリスは客として知り会った運転手の本庄と結婚して、第二の人生を歩もうとしている。義父に犯され、信頼していた母親にも裏切られてこの世界に身を投じたアリスは、身も心もボロボロになっていた。アリスは仲間の風俗嬢からお姉さんと頼られ、中でも、店一番の売れっ子、マヤとは同じマンションに住んでいることから姉妹のように仲がいい。そのマヤは、話ずきで読書家のデラとも気が合う。ある夜、帰路についたアリスとマヤはひったくりにあうが、犯人の女を掴まえると、それは何と、アリスの妹たまえだった。たまえは、ぐうたらの父親に愛想をつかして家出をし、男とも別れて雄琴に流れて来たのだ。アリスはたまえを厳しくしかると、一万円を渡し、実家に帰るようにと追い返した。マンションに戻ったマヤは、徳川というヒモの指戯に溺れていく。徳川は自称経営コンサルタントというが、実は何人もの風俗嬢のヒモになっている。ある日、風俗街をみすぼらしいかっこをした生野という男がアリスを尋ね歩いていた。生野はアリスをこの世界に入れた男だ。マヤたちのマンションにデラが引っ越して来たが、手伝っている男は何と徳川で、彼はデラのヒモもやっていたのだ。その事実がバレ、二人の冷たい視線を受け、徳川は湖に飛び込んで浮かび上がらず、意地を張り合っていたマヤもデラもショックを受ける。再びたまえは男とともにアリスの前に現れ風俗嬢になりたいと言う。怒ったアリスはたまえを相手に泡踊りをはじめると、たまらず昇天してまい、その程度で感じるようではダメだと、店長に他の職を紹介してもらう。アリスがマンションに戻ると、ヨリを戻そうと生野が待ちかまえており、アリスが断ると、生野は包丁を持って彼女につめ寄った。その時、アリスの上の階に住むデラは、徳川の死を悲しんでガス自殺を試みようとしていたが、そこへ徳川から電話が入り、喜ぶデラはガスのことも忘れてタバコに火をつける。大爆発音とともにアリスの部屋の天井が落ちてきて、生野は息を引き取ってしまう。アリスは国道で本庄のトラックを待っていると、一台の乗用車が彼女をハネ飛ばしてしまう。ハネたのはたまえの元の男で、アリスを林に放り投げると走り去っていく。しばらくして、本庄のトラックがやってくるが、アリスの姿がないので、本庄はガックリ肩を落としてその場を去っていく……。