巣立ちのとき 教育は死なず

劇場公開日:

解説

絶対に退学者をださないという教育方針をつらぬく高校を舞台に、全国から集まった落ちこほれ生徒と教師のふれあいを描く。若林繁太の同名の原作の映画化で、脚本・監督はこの作品がデビュー作となる板谷紀之、撮影は「三本足のアロー」「くるみ割り人形」の杉田安久利がそれぞれ担当。

1981年製作/132分/日本
原題:Things that Teacher's Can Do
配給:共同映画全国系列会議
劇場公開日:1981年11月14日

ストーリー

長野県私立篠ノ井高校。退学者をださず、全国から非行生徒も受け入れている。四月。ダンプとあたなされる女体育教師、大村のクラスに二人の生徒が転入してきた。京都の織元の娘、岡島伸子は家出、喧嘩、喫煙をくり返すツッパリ少女。伸子の親は、手に負えないと、百五十万円の現金と娘を置いていった。「捨てるなら、拾ってやろうじやないか」と叫ぶ校長。もう一人は、諏訪の裕福な開業医の息子、高田陽二。医者になることを当然とする父が恐ろしく、兄、姉も一流大学に通っていることから、陽二の心はうっ屈している。伸子は登校拒否を続け、喫煙をし、マニキュアをしている。そんな伸子に大村は「今日は何本減った。西陣織りにマニキュアは必要ないだろう」と話す。伸子のツッバリに微妙な変化が起り始める。校内で続いていた万引事件が、近くの商店街にまで及んだ。高田の仕業だ。彼の処分をめぐって職員会議は紛糾した。そして、校長が高田を自宅に引き取ることにする。かつて、非行生徒をポンポン退学させ、生徒が激減した結果、自分たちの首を締めていることに気づき、一人も退学者をださないと結束した教師たちも、校長の姿に自信を取り戻す。そして、大村はついに、高田の心をとらえた。「あの両親は、子供を自分の持物としている。自立させねば」“先生、助けてくれ”と泣き叫ぶ高田の顔に夕陽が美しく映えていた。医者の親でさえなおせなかった高田の苦しみをついに教師たちは除去したのである。夏休み。帰郷を嫌がる伸子を、元番長で今、生徒会長の海沼と民子が送り出した。大村の配慮である。まだ伸子の心は閉ざされているが、大村は確信していた。彼女もきっと立ち直ると……。

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スタッフ・キャスト

監督
脚本
板谷紀之
今崎暁巳
脚本協力
山形雄策
原作
若林繁太
企画
山口逸郎
石井修吾
製作
山口逸郎
石井修吾
プロデューサー
相澤徹
撮影
杉田安久利
美術
坂口武玄
装飾
本田清
音楽
岡田和夫
録音
矢野勝久
照明
中谷敏清
編集
中静達治
製作主任
光永憲之
助監督
鈴木康敬
スチール
吉田一法
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映画レビュー

3.0親にも見放された子

2020年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

長野県にある実在する高校で、親にも見放された生徒たちと先生の教育の取り組みを描く。
主人公(江利チエミ)は猪突猛進型の先生で、生徒たちからは一目置かれている。
二人の転入生があり、一人は万引き癖のある男子、もう一人は暴力的で脱走癖のある女子、彼らと大学を卒業して赴任してきた新人教師を中心にドラマが展開する。
生徒も先生も世代が変わっていくので現状はよくわからないが、教育への情熱だけは捨てないで欲しい。

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