あらし(1939)

劇場公開日

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解説

一九三九年、戦前に製作された映画で、我国には初めての監督ベルナール・デシャンが演出したメロドラマであり、脚本はアンドレ・カイヤットが監督デシャンと共同で書卸した。主演は未公開の「大いなる幻影」に出演したハリウッドの大監督名優だったエリック・フォン・シュトロハイム、ようえんの名高いアルレッティ、「格子なき牢獄」「楽聖ベートーヴェン」のアニー・デュコオ、古くからの二枚目俳優アンドレ・リュゲエ、「大いなる幻影」「脱出」のマルセル・ダリオで、アンリ・ギゾール、ジャン・ドビュクール、ジャック・ルーヴィニイ、キャレット、アンリ・ブリ等が助演する。キャメラはミシェル・ケルベが指揮し、音楽はマルセル・ドウランノワが作曲している。

1939年製作/97分/フランス
原題:Tempete

ストーリー

パリであった話である。パリジャンがよるとさわると必ず話題となるのは、サハラ海株式会社である。地中海の水を運河でサハラ砂ばくに注ぎ込み、アフリカ内地に広大な内海を作って交通の便を計ろうという、すばらしい大計画である。蜃気楼の様な計画とあざける人もあるが、有利事業との宣伝に乗せられて株券を買う人もひきもきらぬ有様。社長室では不敵な面魂の社長コルリックが悦に入っている。そこへ訪れたのが赤新聞オッポルタンの社長バレルである。苦虫面のコルリックから千フランの札を何十枚かくすねてバレルが立去る。捜査局長デマレエの机上に一束の写真がおかれた。世界各国をまたにかけての希大の大詐欺師コルリックの素生が洗われたのである。しかもそこには当のコルリックからのデマレエ夫妻にあたて夜会の招待状が来ている。デマレエはコルリック逮捕の用意をして愛妻ジャンヌと共にその夜会に赴く。そこにはバレルの姿もみえた。彼とねんごろな仲であるらしい歌女イダが流行歌を歌った。コルリックの二の腕チャーリーが、夜会が終ったら我々を捕縛する網が張られていると耳うちする。コルリックはデマレエ夫人ジャンヌとダンスをし、物かげにしのび出て何やらささやいていた様子。お客が帰りかけたころ、コルリックは白ひげの上院議員に化けゆうゆうとホテルを出る。宿るさきはバレルが物置き小屋と称する赤新聞社の屋根裏の密室である。全パリの新聞はコルリック逃亡、警察の無能の大見出しを競う。時しもジャンヌを訪れたバレルは一葉の写真とカギを彼女にわたし、オッボルタン新聞社の屋根裏に来て下さいといって去る。ジャンヌはひそかにコルリックを訪れる。彼女がコルリックの一人娘であることは二人だけしか知らぬ秘密であった。ここは危いといって娘は父をパリ郊外のデマレエ別邸にかくまう。またしても取り逃したデマレエは種々の証拠物件から妻ジャンヌが関係している事と、バレルの口からコルリックが彼の別邸にいることを知る。行ってみると妻はコルリックと相擁して泣いていた。妻が彼の娘であると知れば、デマレエの立場はつらかった。コルリックは一時間の猶予を請い、九時に事務所に出頭すると言って去る。彼は屋根裏にバレルを襲い、この毒虫を殺したが、自らもひん死の重症を負った。彼は証拠の写真のネガを焼きすて、デマレエの事務所とジャンヌとにそれぞれ電話をかけて、事の次第を報ずると共に息絶えた。

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