草原の英雄

劇場公開日:

解説

ソ連邦の民族映画撮影所の一つ、中央アジア・ウズベキスタン共和国の首都にあるタシュケント映画スタジオにおける戦後第三作。十五世紀ウズベックの偉大な詩人、政治家たるアリシェル・ナヴォイ(1441-1501)の生涯とその功績を描いた伝記映画。監督K・ヤルマートフは映画俳優から国立映画大学監督科を出たタシュケント映画スタジオの芸術指導者で戦時中「祖国への贈り物」「外科医」等を造っている。装置のV・エレミヤンは前二作を受持ち、撮影M・クラスニヤンスキーはもとD・デムツキーの助手でこの作で始めて独立した。主役R・ハムラーエフは同スタジオの「タヒールとズフラ」(45年)で認められたウズベックの新進俳優、バイカラに扮するA・イスマートフは一九三六からの中堅俳優であり、A・ジャリーロフ(宰相マジェディン)は映画生活二十年をこえるウズベック共和国人民俳優である。一九四七年度作品で同年度のスターリン芸術賞第二位を授けられている。

1947年製作/ソ連
原題または英題:Ali Sher Navoi
劇場公開日:1949年5月

ストーリー

十五世紀のウズベック帝国、アリシェル・ナヴォイとサルタンの王子フセイン・バイカラは共に若い友情を以て祖国再建の念に燃えていた。年月がすぎてバイカラはサルタンとなりナヴォイは彼の政治顧問となったがナヴォイの助言を煩しく感じて来たバイカラは彼の名声を憎んで失脚せしめんとしている宰相マジェディンの甘言を容れて彼を辺境アストラバードに左遷する。失意のナヴォイは今一つの打撃を受けねばならなかった。彼の愛人ギュリが宰相によってサルタンの後宮に送られ、一たんはとりもどした彼女もついに遂に宰相の手で毒害されてしまった。ナヴォイの去った後意志の弱いバイカラは宰相に操られて宮廷は乱脈に流れ父子兄弟同志が戦う有様であった。詳しい事情を知らぬナヴォイがバイカラの孫ムーミンに望みを託して首都ヘラートに帰って来た時、そこで聞いたのは野望に燃える宰相マジェディンがバイカラを欺いてムーミンを死刑に処してしまったことだった。暴君と化したフセイン・バイカラとナヴォイとを継ぐ総ての糸は断ち切られた。ナヴォイはサルタンの宮殿をあとにして、彼に残された唯一の希望である人民の中に入って行った。

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