椿姫

中国
原題または英題:茶花女

ストーリー

上海の社交界の花形を集めて開かれた慈善舞踏会で、茶花女と呼ばれる馬莉々の麗姿はあたりを払って見えた。青年弁護士の杜亜蒙が初めて莉々に会ったのは此の夜である。彼は友人徐と共に知り合いの劉芝英の家を訪れた。彼女はかつては社交界に名をはせていたが、今は莉々の家の隣りで衣裳店を経営していた。その夜、莉々はつきまとう銭という客をあしらいかねて隣家の芝英を呼んだので、亜蒙も徐も共々に彼女の家に招じられた。此の夜の会見で、莉々は彼女が療養中にいつも名を秘して花を捧げたのが亜蒙であった事を知った。まだ健康でない体で酒盃を重ねる彼女を気づかう亜蒙の純情に、莉々は深く心をうたれるのだった。彼女は金持ちの老人金に、亡くなった娘の代わりとして愛され生活費を負担させていたが、この夜から亜蒙との間に芽生えた恋に夢の様な楽しい日数を重ねて行った。莉々は金に出資を仰ぎ、亜蒙は旅行すると称して父親から金を貰い、上海から程近い田舎に愛の巣を作った。この噂は忽ち上海の社交界に喧伝され、この為に金から出資は拒絶された二人は経済的な苦境に直面する。銓方つきて亜蒙は父に秘して邸宅を抵当に入れ、莉々は装身具を金にかえた。その頃亜蒙の妹は或る上流家庭に婚約があったが、兄の不身持が知れて破談になりそうな有り様となる。心痛した父親は息子に隠れて莉々に会い、亜蒙と別れてくれるように頼んだ。彼女は涙を秘めて亜蒙に愛想づかしの手紙を残すと、あれほど嫌った銭の許に身を寄せた。こうして二人の間には深い溝が出来た。上海の社交場で莉々に逢った亜蒙は、賭事で得た金を彼女の頬にたたきつけて去ったが、莉々は父親との約束を果たした今は銭の許からも離れ、諦めと悲しみから再び元の病に倒れた。積もる借財に債鬼たちは無情にも、広壮な邸宅を競売に附した。そこへ全ての事情を知った亜蒙が駆けつけた。二人の手は確く握りしめられたが、すでにその時は莉々の魂は再会の喜びに酔うが如く、青ざめた美しい顔に笑みを浮かべて此の世を去って行った。

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