劇場公開日 2024年3月22日

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続・夕陽のガンマン 地獄の決斗のレビュー・感想・評価

全57件中、1~20件目を表示

4.5痺れ、病みつき、脳天を撃ち抜かれる!

2024年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネのトリオによる3大傑作、“ドル3部作”と呼ばれている「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続く3作目です。

前2作よりもコメディ色を強めながら、迫力のアクションと圧倒的なスケールでボリュームアップしています。イーストウッドが演じる賞金稼ぎ、イーライ・ウォラックが演じるお尋ね者、「夕陽のガンマン」にも出演したリー・バン・クリーフが演じる捕虜収容所長がクライマックスに対峙し、撃ち合う前の緊張感が張り詰めた名シーンには何度見ても痺れます。

モリコーネの印象的な音楽、哀愁のメロディーが全編を包み込み、レオーネのスタイリッシュな演出の特徴である超クローズアップ、急速なズーム、パンフォーカス、地面からややあおり気味のローアングルなど、鮮烈で斬新なショットやカメラワークは一度見たら病みつきになります。

そして、目深に被ったハット、無精ひげにタバコをくわえ、ポンチョを着こなす孤高のガンマンという映画史上のアイコンとなったイーストウッドが演じるキャラクターの眼光鋭くニヒルな表情とクールな存在感に、脳天を撃ち抜かれることでしょう。

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和田隆

4.0南北戦争を背景とした娯楽西部劇の面白さと、シリアスな戦争叙事詩の不思議な魅力

2025年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

斬新

ドキドキ

黒澤明監督の傑作「用心棒」をリメイクしたマカロニ・ウェスタンの「荒野の用心棒」を契機に連続ヒットしたシリーズ(ドル箱三部作)の最終章にして、アメリカ資本を加えての娯楽大作の威容を存分に備えた西部劇の力作巨編。セルジオ・レオーネ監督(1929年~1989年)の演出エネルギーが178分の全編に行き渡り、見応えと醍醐味が合わさった映画になっています。52年前に観たのは、地上波テレビの淀川長治さんの日曜洋画劇場でした。番組枠を超えた拡大放送でも、完全版と言われるものより60分以上カットされたものです。主要登場人物を、善人・悪人・卑劣漢の三種類に分けて説明するショットが記憶に残る程度で、ストーリーは殆ど忘れていました。今回が実質初鑑賞にあたり、新鮮な驚きと面白さにとても満足しました。

先ず感銘を受けたのは、卑劣漢(無頼漢)テュコを演じたイーライ・ウォラック(1915年~1989年)のキャラクター表現の豊かさと演技力の確かさでした。僅かに「荒野の七人」(1960年)「荒馬と女」(1961年)「西部開拓史」(1962年)「シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛」(1972年)を観ているも印象になく、経歴を調べてみると、博士号を取得後ブロードウェイで俳優修業をして32歳でリー・ストラスバーグ(1901年~1982年)と共にアクターズ・スタジオに参加したとあり、納得の役者振りでした。撮影当時50歳とは思えないアクションシーンもこなし、何より強かでどこか間が抜けた人間味の可笑しさが、この映画の重要な役割を担っていることです。これは勿論、前作から引き続き出演したリー・ヴァン・クリーフ(1925年~1989年)のエンジェル・アイズ(悪玉)が極悪非道を極めたキャラクターと対比になり、主演クリント・イーストウッド(1930年生まれ)のクールな流れ者のブロンディと持ちつ持たれつな関係を最後のクライマックスまで引っ張っていく、練られた脚本の面白さを際立たせていました。お尋ね者の悪党テュコとその賞金首を目当てに何度も繰り返す賞金稼ぎのブロンディ。変形バディの復讐と仲直りと裏切りの連続が喜劇的な人間模様を見せてくれます。
次に感銘を受けたのは、前二作には無かった南北戦争を背景とした西部劇のスケール感でした。その中でも最終章の川を挟んで南軍と北軍が緊迫するシークエンスでは、北軍の酔っ払い大尉がみせる戦争の虚無感が、真面目な顔をして観る者に迫ります。人間コメディとこのシリアスな戦争批判が渾然一体となった不思議な感覚は、映画だけにある表現の面白さです。1500人のエキストラを投じて描かれた戦争の虚しさ、アメリカ資本の制作費を掛けた意義が可視化されたレオーネ監督の迫力ある演出も見事でした。
そして、前作「夕陽のガンマン」で違和感を感じたエンニオ・モリコーネ(1928年~2020年)の音楽が、全編に渡って映像と見事にシンクロしていたことです。テーマ曲としては地味で「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」より印象に残るメロディではありませんが、映画音楽としては完成度が高いと思いました。モリコーネの繊細で丁寧な配慮によるBGMと効果音を兼ねた映画音楽が素晴らしい。

マカロニ・ウェスタンらしい残虐シーンもありますが、印象に残るシーンや思わず笑ってしまうシーンの連続に、最後まで楽しめる西部劇です。テュコが荒野に一人取り残された怨念からブロンディに復讐をするシークエンスが特に見応えがありました。手下3人の殺し屋がブロンディの部屋に忍び込もうとするショットと、部屋で拳銃の手入れをするブロンディ、そして外では南軍の兵士が行進している。3人の廊下を歩く足のアップにブロンディの拳銃のアップ。靴の音、拳銃の音、そして馬の蹄と馬車の車輪の音に兵士の足音。この映像と音のモンタージュが醸成するサスペンスが、突然兵士の行進が止まることで緊張感を高めます。無音と思いきや遠くから大砲の音が聴こえる。そしてドアを凝視するブロンディの眼のアップ。兵士の行進が始まり殺し屋がドアのノブに手を掛けるショット、ここから恐怖を煽る音楽が鳴り、急いで弾を詰めるブロンディの手のアップ。ヒッチコックタッチのような模範演出を観ているようです。一瞬にして3人を仕留めるブロンディは、一言(拍車が鳴った)と最後の止めの一発を放つ。普通ならここで終わりなのに、窓から侵入したテュコが現れて、縛り首の縄を自ら首に掛ける危機に陥るブロンディ。でも大砲の音は徐々に大きくなる。最後は拳銃の銃口のアップと大砲のアップが重なり、わずかに大砲の音が先に鳴る。テュコが瓦礫と共に落下するところで、破壊的な笑いを誘います。このようにサスペンスからコメディのような決着に至る展開が、この作品の醍醐味と言えるでしょう。

細かく見ると数か所、シークエンスの繋ぎのショットに不自然さがありますが、全体から見れば些細な事です。セルジオ・レオーネ監督始め3人で創作された脚本の面白さ、イーライ・ウォラックの憎めないキャラクター表現に、安定感増したイーストウッドとヴァン・クリーフの魅力、充実したモリコーネ音楽、そして大胆なカメラワークを生かしたレオーネ監督の徹頭徹尾の迫力ある演出が、マカロニ・ウェスタンを代表する傑作を生みました。

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Gustav

4.5何度でも映画館で観たい!!!

2025年12月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

斬新

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TRINITY:The Righthanded Devil

4.5戦場にかける端‼️

2025年11月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

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活動写真愛好家

2.5映画終活シリーズ

2025年9月14日
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鑑賞方法:VOD

単純

1967年度作品
どうなんだろ…
ドル箱三部作「荒野の用心棒」に続く鑑賞ですが、とにかく長かった(178分)
何度も寝落ちしました

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あきちゃん

5.0長い!けれど全く飽きない!

2024年12月5日
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クリント・イーストウッド好きなのに今までこれを見ていなかったことを猛省!今のイーストウッドを作ったと言っても過言ではない作品。「続・夕陽~」に影響を与えた「用心棒」「七人の侍」も見なくては~!反対に影響されたものとしては、タランティーノ作品、「ダイ・ハード」「必殺仕事人」などなど枚挙にいとまがない。

ウエスタン特有の残虐さや南北戦争の悲惨なシーンがあるものの、全体を通してコメディタッチなので見ていてあまりつらくならない。音楽もカメラワークも斬新で、今見ても新しい。約3時間あるが、ここが見所!という部分も分かりやすく、ダラダラしていない。

the good = ブロンディ = キリスト、the bad = エンジェル・アイ = サタン、the ugly = テュコ = 人間。しかしブロンディは作中、苦難を背負うと見られるシーンがあるものの、結構ワルい所もあるのだが(苦笑)。

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ぽぽ

5.0これぞレオーネの人間賛歌。あらゆる映画の頂点に君臨する極私的ベスト・オブ・ベスト!

2024年11月7日
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鑑賞方法:映画館

早稲田松竹で『夕陽のガンマン』と併せて鑑賞。
初めて劇場で観た『続・夕陽のガンマン』。
いやああ、控えめに言って、
最っっ高でしたっっっ!!!!

マカロニ・ウエスタン史上最高というか、
すべてのウエスタン映画史上最高というか、
そもそも全アクション映画史上最高というか、
恐れずいえば、あらゆる映画史上最高というか。

俺の映画人生におけるベスト・ムーヴィーを、
ついに映画館の大画面と大音響で堪能する至福のひととき。

『続・夕陽のガンマン』には、
俺が映画に求める全てがつまっている。
圧倒的なキャラクターのかっこよさ。
所作、ガン捌き、歩き方、佇まい。
すべてが、しびれる。あこがれる。

ロングショットとズームの多用が、
圧倒的な叙事詩性と、物語性を生み出す。
トリッキーなショット。
スタイリッシュなモンタージュ。
そのすべてが、映画としての画格に貢献している。
フィルムを止めれば、「絵画」として美しい。
フィルムを回せば、「映画」として生きている。

アメリカの西部劇を構成する「かっこよさ」のすべてのエッセンスが、イタリア人の美意識によって抽出され、精錬され、完成された様式美のギミックとして呈示される。
華麗な曲撃ち。帽子のつばをあげる仕草。ぐるりと口元で回るシガー。
すべての細部が驚くほどのインパクトをもって迫って来る。

さらにドル三部作は、きれいごとの「善玉」と「悪玉」の区分を超えて、人間どうしの欲望と金への執着を西部劇のテーマとして前面に押し出した点でも、斬新だった。

西部劇のかっこいい主役が、正義を口にすることなく、ただ「金」のために戦う。同じ「金」に群がる「悪」としのぎを削り、「私利私欲のために」それを打ち倒す。
はじめてレオーネの洗礼を受けた俺は、「正義の味方」のファンタジーを反転させて生まれた、金と欲のリアリティの物語に夢中になった。

『続・夕陽のガンマン』では、この方法論がさらに複層化されている。
原題は、『The Good, The Bad and The Ugly』。
良い奴、悪い奴、卑劣漢。
もちろん、作品の中身をそのまま表したタイトルではない。
これは、ネタだ。観客への問いかけだ。

西部劇あるいはアクション映画全般における「善玉」と「悪玉」という区分をネタに、「正義となにか」「悪とはなにか」を考察したメタ的な西部劇。それが『続・夕陽のガンマン』の本質だ。その意味で本作は、『ダークナイト』や『ジョーカー』の古いご先祖さまだともいえる。
そのなかで、「善」でも「悪」でもない中間的な立ち位置で、「卑劣漢」「ずるい奴」として規定された「第三のペルソナ」は、きわめて重要な存在だ。

卑劣漢、トゥッコ。
ああ、トゥッコ。
わが愛しのトゥッコ!!

映画史上、こんなにも汚らわしくて、みっともなくて、
でも、ヒロイックで、かっこよくて、ふてぶてしくて、
愛嬌があって、いとおしく思えるキャラがいただろうか?
(いやいない)

俺はトゥッコのすべてを愛している。
冒頭いきなり、窓から無様に食べ掛けの格好で逃亡していくかに見えて、実は3人の追跡者たちをさくっと片づけている、あの必殺のガン捌きを。
天涯孤独の身の上をブロンディに語った舌の根も乾かぬうちに、僧院の神父の兄貴と両親の話をしている、あの厚顔無恥さを。
マヌケだがやたら嗅覚がきき、コミックリリーフだが心根は冷酷かつ残忍で、道化の仮面の裏ではギラギラとした殺気と欲深さを駄々洩らしている、この男の在り方のすべてを、俺は愛している。
実際、観た人なら100人が100人同意してくださると思うが、本作の主人公はイーストウッド演じるブロンディではない。トゥッコだ。
トゥッコという強烈な「ugly」がいたからこそ、『続・夕陽のガンマン』は、傑作の域を超えて、神作の域へと至ったのだ。
たとえるなら、トゥッコは、『指輪物語』におけるゴクリ。
あるいは北欧神話におけるレギン(ミーメ)のような存在だ。

野卑で、卑屈で、コミカルで、
邪悪で、欲深く、感情の起伏が激しい。
すなわち――、どこまでも「人間くさい」。

トゥッコは、人間の醜さと尊さ、人間の欲望と義侠心、人間の怒りと笑いをないまぜに併せ持つ、ある種、神話的存在である。
善玉としてのペルソナをかぶる、もう一人の卑劣漢ブロンディとも、
正反対の異名をもちながら、悪漢として輝くエンジェル・アイとも異なる、
剥き出しで、ペルソナ要らずの「人間の業」そのもののような存在。
トゥッコこそは、「人」の生々しい本質である。

なぜ、俺はそこまでトゥッコという「人間」にこだわるのか?
それは、突き詰めれば、『続・夕陽のガンマン』が、「人間」の尊厳についての物語だからだ。

『続・夕陽のガンマン』には、『荒野の用心棒』にも『夕陽のガンマン』にも出て来ない、とある要素が付加されている。
それは、「戦争」という舞台背景だ。
男たちが金の争奪戦を繰り広げ、競い合い、騙し合い、ときには共闘し、私欲を剥き出しにマウントを取りあう。そこは三作を通じて変わらない。
だが、『続・夕陽のガンマン』は、そこに「戦争」という要素を対比的に持ちこみ、男たちの私的な闘争を際立たせることに成功した。

戦争は、大量死の世界だ。
国家の大義を前にして、個は意味を喪い、私も意味を喪う。
南北戦争のような内戦においては、同じ国民同士であるにもかかわらず、北部と南部に分かれて不毛な消耗戦を繰り広げる。
個人はそれまでの人生の文脈から切り離され、肩書きとともに軍属としての新たな地位を与えられ、数に還元されて、肉弾戦の資産(アセット)として消費される。
昨日はただの無法者だった人間が、今日の収容所長であったり、今日の収容所捕虜であったりする。橋を守る飲んだくれ軍曹にも、平時の職業があったり家族があったりしただろう。
それでも、過去のすべての属性ははく奪され、「殺し、殺される」単なるコマとして扱われることになる。

そんな南北戦争を背景に、ブロンディと、トゥッコと、エンジェルは、「戦争そっちのけ」で私欲にまみれた金貨強奪戦を、知力と体力と早撃ち能力の全てをかけて繰り広げるのだ。

それって、凄いことじゃないか。なんて、痛快なんだ!!

彼らにとっては、戦争なんて、どうでもいい。
大義なんてぶっちゃけ関係ない。
自分だけが大事。金貨だけが大事。儲けることだけが全て。
欲がいちばん。俺様がいちばん。
彼等は、思い切り戦争に巻き込まれてはいるが、
その実、ちっとも戦争に巻き込まれてなんかいない。
戦争を利用し、戦争を生き抜き、戦争で生まれた「金」を奪い合う。
そこには、「個」のせめぎ合いがある。
「私」の熾烈な戦いがある。
彼等は、「自分」であることをあきらめない。

無意味な大量死を象徴する戦士たちの集団墓地で展開する、1対1対1の究極の決闘シーン。あのシーンこそが、本作の核心である。

これは、無法者たちが全体主義に対してもっともナチュラルな形で示してみせた、究極の「レジスタンス」であり、「人間賛歌」なのだ。

そう、『続・夕陽のガンマン』は、「人間賛歌」である。
だからこそ本作は、凡百の戦争映画や西部劇を超えて、レジェントとなり得た。
二つを「混ぜる」ことで、戦争の愚を際立たせ、西部魂の粋を見せてくれた。
戦争による意味のない大量死と、尊厳ある決闘の死を対比することで、人が人として生きることの壮絶な価値を描き出してみせた。
尊厳をもった戦いのなかで死ぬのなら、男は別段死んでも構わないのだ。
自分の追い求める富と名誉のために前向きに倒れて死ねるのなら、本望なのだ。

その、泥臭く、正邪を超えて、どこまでも人間臭い、「人の生命力と生々しさ」の象徴的なアイコンこそが、トゥッコというキャラクターだ。
だからこそ、俺はトゥッコという男を愛する。
彼が生き抜くことで、世界の未来が開けるから。

言い換えよう。『続・夕陽のガンマン』は、西部劇を材に撮った、セルジオ・レオーネにとっての「ルネサンス」的所産だった。
清も濁も併せ持つ人間性そのものの肯定。ユマニスト的な、人間の活力と生命力への礼賛。個が全体に呑み込まれず、個として振る舞うことへの全幅の共感。
それがあるからこそ、『続・夕陽のガンマン』は胸を打つ。スカッとする。観ていて生きる元気が湧く。自分のために生きていいのだと思わせてくれる。
『続・夕陽のガンマン』は、そんじょそこらの娯楽映画ではない。
俺にとっては、人生の映画。生涯の映画である。

この「戦争の大量死」と「尊厳ある個の死」の対比という話は、ちょうど戦間期の英国における本格ミステリの発達や、日本の戦後すぐに訪れた本格ミステリブームとも呼応するものだ。それは死を玩弄する娯楽ではあったが、同時に個人の死を特別視し、聖化する試みでもあった。レオーネが本作を通じてやろうとしたのも、殺しをゲーム化することで逆説的に「個人の死を特別な何かに引き上げてみせる」実験であった。

さらに、レオーネの「ドル三部作」が多大な影響を与えた、とある作品群がある。
そう、日本の時代劇が誇る、「必殺」シリーズである。

「必殺」には、レオーネの築き上げたマカロニ・ウエスタンの文法が、ほぼそのまま移入されている。やたら金に執着する殺し屋たち。殺し屋もまた悪である。悪が悪を討つなかで、結果的にある種の正義が執行される。曲芸じみた殺し技が生み出す、デコラティヴな死。殺しの前には必ず「仕掛けの準備」の描写があり、殺しの凶器が並べられ、棺桶の錠(沖雅也)は敵の面前で得物の手槍を組み立てる(ダグラス・モーティマーの組み立て銃!)。あざといカメラワーク。引き延ばされた殺し技のけれん味。最後に火を吹き消す殺し屋(イーストウッドもやってました!!)。そして、ほぼ丸パクリといっていい、平尾昌晃による似非・マカロニ・ウエスタン風「殺しのテーマ曲」。
俺が大学時代にマカロニ・ウエスタンにのめり込んでいったのは、「先に」必殺シリーズの洗礼を受け、心も身体も必殺(と特捜最前線)漬けとなった中高生活を送っていたからだ。
必殺愛好家の俺の体に、レオーネのウエスタンは、命の水のようにしみ込んだ。
そして、今でもレオーネと必殺のエッセンスは、俺のガソリンとなって、俺の心を燃やし続けている。

アメリカでジョン・フォードが大成した西部劇。
その技法と精神を、日本の黒澤がチャンバラ時代劇に持ち込み、それに感銘を受けたイタリアのレオーネが、その要素をふたたび西部劇に組み込んだ。で、レオーネの創始した新しい西部劇のエキスが、今度はアメリカのペキンパーや、日本の「必殺」に受け継がれていく……。なんとうつくしいピンポンであることか!

『続・夕陽のガンマン』には、ほかにも語りたいことが山ほどある。
砂漠で復讐に燃えるトゥッコと、アンドレ・カイヤットの名画『眼には眼を』の関係性。
漢の魂を伝え合うツールとしての「シガー(タバコ)」の効用。
敢えて『夕陽のガンマン』の善玉を悪玉役に起用する稚気(エンジェル一味には前作の密告者役が交じる)。
南軍の捕虜が歌わされているメロウなメロディに対して、北軍兵が「もっと感情をこめて!!」と強要するメタで自虐的な仕掛け。
その泣きむせぶような望郷の歌を背景に、ひたすら殴りまくられるトゥッコ(美メロと暴力の取り合わせ)。
暴力シーンややけどの凄惨な描写と伊ホラーの関係性。
主人公が戦争に「呑み込まれてしまう」『夕陽のギャングたち』との比較……。

だが……残念ながら紙幅が尽きてしまったようだ。

とにかく言っておく。
四の五の言わずに、まずは観てほしい。
そして、感じてほしい。
『続・夕陽のガンマン』の娯楽としての面白さを。
その背後にある、監督の理想の高邁さを。
三人の男たちの、生命と魂の昂ぶりを。

終映後、映画館から出てくる男たちの、妙に肩で風を切るような歩き方と、どこかいきった表情が、なんだかほほえましかった。
きっとみんな、脳内ではモリコーネ・ミュージックが高らかに流れていたんだろうなあ(笑)。

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じゃい

4.5“ゴールドのエクスタシー”は名曲中の名曲

2024年6月28日
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イーストウッドの役柄は“良い人”では決してない。

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ムーラン

5.0何回見ても面白いものは面白い。

2024年6月8日
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鑑賞方法:映画館

興奮

自身が最も繰り返し見た作品の1本。物語り(マカロニバディロードムービー)が良い、カメラ(レオーネお得意の熱苦しい漢たちのどアップ)が良い、役者(出演ウエスタンNO1のカッコよさのイーストウッド、悪役が渋すぎるクリーフ、一番の儲け役のウォラック)が良い、音楽が良い。特にイーライ・ウォラックが良すぎる。彼中心にストーリーを回したのも大正解。南北戦争の悲哀をダイナミックに挿入しながら3人のアウトローの闘いをじっくり(3時間)描き尽くすマカロニウエスタン傑作中の傑作。日本語吹替完声版は作品の面白さを更に上げている奇跡の逸品。ウォラックのアフレコに声質まで同じ大塚周夫さんを指名した人に大拍手です。

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ケンちゃんパパ

5.0体感90分(個人談)の金貨争奪戦

2024年5月28日
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鑑賞方法:DVD/BD、VOD

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しゅうへい

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2024年4月12日
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りゃんひさ

4.0どんどん尺が

2024年4月12日
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長くなる、砲撃シーンや最後の決闘シーンが長ったらしい。でもドル三部作の中でやっと、俺ジナルなものが濃厚に出てきた。南北戦争の意外な程長い描写、所々で出て来る不具者。“卑劣漢”と出るが意外と人間味があり信心深い。銃のカスタム化とか爆薬設置とか細部のこだわりも凄かった。
二枚目、敵役、三枚目をおちょくった様な演出でラストも爽快! しかしポンチョはどこから?

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トミー

3.5戦争物か❓

2024年4月12日
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りか

5.0どうしてこんなに面白いんだろう?!

2024年4月11日
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1968年7月14日、この日「続夕陽のガンマン」と「サムライ」を観なかったら、私は50年以上映画ファンであり続ける事はなかったかも知れない。自分史の中でそういう位置を占めているのだ。

4月10日(水) 新宿ピカデリーで「続夕陽のガンマン 地獄の決斗」(4K)を。
英題は「The good,The bad,and The ugly」
The good(ブロンディ)はクリント・イーストウッド、The bad(エンジェル・アイズ)はリー・バン・クリーフ、The ugly(テュコ)はイーライ・ウォラックである。

まず、この映画を面白くしているのはイーライ・ウォラックの存在である。悪党なのに憎めない、笑わせてくれる愛すべき(?)キャラクターを演じている。
1968年にこの映画を観た時の字幕は高瀬鎮夫氏である。氏は、当時多くの映画字幕を担当していて、コロンビア映画は大田国夫、ヨーロッパ映画は清水俊二、残りのアメリカ映画は高瀬鎮夫というのが当時の私のイメージであった(実際、現在とは公開本数が違うとはいえ、全盛期には公開映画の7割を高瀬氏が担当したと言われている)。
氏の字幕は意訳が多いのだが、本作で氏が付けた字幕がThe ugly=イジけた野郎、である。善玉、悪玉、卑劣漢などのありきたりの訳でないのが良かったね。(今回の字幕は善玉、悪玉、卑劣漢だった)
ちなみにThe good=ちょっとイイ男、The bad=グッと悪い男、であった。

映画の冒頭でテュコを襲った3人組の一人が生き残って、映画の中盤でテュコを発見して入浴中に襲って来るが、圧倒的優位な態勢なのに能書き垂れ過ぎてテュコに射殺される。敵を倒したテュコ曰く「ムダに喋っているヒマがあったら撃て」ゴルゴ13か、お前は。
銃器店で銃を選ぶ時も、複数の銃を分解してバレルとシリンダーの最良の組合わせを選ぶこだわりをみせる(銃はレミントン・ネービーリボルバー)。そして試射、テュコは射撃の腕前も凄い所を見せる。こういった所を丁寧に描いているから上映時間が長くなるのだ。
テュコは橋を爆破に行く前に銃に弾込めをしている。(これがラストの決斗の伏線になっている)

再三、南軍、北軍の負傷した兵士の姿が捉えられる。橋を爆破する事によって橋を巡って戦闘していた両軍を撤退させて死傷者をこれ以上出さないと言う大義のもと(オッペンハイマーみたい)にブロンディとテュコは橋を爆破する。(本当は金貨の隠し場所に近づくためなんだけど)
この橋の爆破シーン、カメラを回す前に爆薬のスイッチを押して爆破してしまい、スペイン軍が急遽橋を架け直してから撮影したと言うのを後で知った。
橋を爆破した後、二人は朝まで塹壕でじっとしている。ブロンディはテュコを蹴り起こす(これもラストの伏線の一つだ)。
川を超えた所で重症の南軍兵士に出会い、ブロンディは葉巻を吸わせてやると兵士は事切れる。ブロンディは自分のコートを掛けてやり、変わりにそこにあるポンチョを持ち帰る。(これがクリントのポンチョスタイルの原点となる)

クリント・イーストウッドは、西部劇の時にいつも同じホルスター(ガンベルト)を使っている。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」と同じホルスターを「続夕陽のガンマン」でも使っている。(確か「シノーラ」でも使っていた)
だが、本当はこれはおかしいのだ。何故なら前2作では使っている銃が(多分)コルト・ピースメーカーだが、「続夕陽のガンマン」ではレミントン・アーミーリボルバーなので、バレル(銃身)の長さも違うためホルスターは違って当然なのである(早撃ち出来ないよ)。また、銃の種類が違ってもグリップは同じ銀の蛇が蜷局を巻いた物を使っている。閑話休題。

いよいよサッドヒルの墓場に埋められた金貨の行方をめぐるラストの西部劇史上初のトライアングルの地獄の決斗である。
エンニオ・モリコーネの音楽も冴える。
3人の顔のアップ、いや、眼だけのアップ、銃に近づく手の、指のアップ。指は銃に近づく、止まる、戻る、また近づく。
遂に銃は抜かれ、火を吹く…。

ラストにもう一度各自のアップに字幕が重なる。The ugly=イジけた野郎、The bad=バカを見た男、The good=グンとイイ男、であった。(あ、高瀬鎮夫版です。今回は善玉、悪玉、卑劣漢でした。つまんねえ訳だ)

何本もマカロニウエスタンを観たが、この作品の右に出るものはない。タランティーノが気に入る訳だ。
人間には2種類いる。映画を作る奴とそれを観る奴だ。

おまけ
この映画を気に入った方には、ドキュメンタリー映画「サッドヒルを掘り返せ」を観る事をお勧めする。サッドヒルにクリント・イーストウッドが登場するシーンは胸アツである。

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Mr.C.B.2

5.0《ドル3部作》第3弾!三つ巴の決斗! 製作費もスケールもアップ!3時間の超大作 超有名・超ユニークなテーマ曲!

2024年4月10日
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鑑賞方法:映画館

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ITOYA

2.0映画館で観たが、、筋も共感できず。古い録音を大音量にすると割れて不快

2024年4月7日
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鑑賞方法:映画館

大金をめぐって3人の男が、競う。
結局 金が目的なので、感情移入できない。
筋も無理が有る。
南北戦争時代の米国が舞台で、その雰囲気が少し分かったのはよかった。

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東條ひでき

2.5TV放映用の編集短縮版の方が好きです!

2024年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

TVで何回も鑑賞して、大好きな映画ですが、初めて映画館で、178分のオリジナル版を鑑賞しました。個人的には、余り必要のないシーンが多いと感じられました。
勿論、ラストの3人の決闘シーンは、素晴らしい作品です!

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aki007

3.0脚本ダメ、ダラダラ長すぎ

2024年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ドル3部作の3作目でタイトルに“続”と付きますが、2作目『夕陽のガンマン』とは繋がってません。

西部劇と聞いて思い浮かべる、ほぼ全てのモノが詰まってます。

西部劇にフェチズムを持つ人が作った映画のようにも感じます。

拍車の付いたウエスタンブーツ、リボルバー、西部劇な銃さばき、早撃ち、ウエスタン扉、などなど。

最初は、カッコイイ!!と観てたけど、脚本がダメ、面白くない。

途中からダレてきて、ウトウトしながら観ました(笑)

3時間と長すぎだし(笑)

ガッカリ作(笑)

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RAIN DOG

マカロニウェスタン、最初は何でコイツらの暑苦しい超ドアップの顔を(しかもヤローの)を見にゃならんのかと思ったが。今ではそこがいい。癖になる。

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マサヒロ、9月に映画.com IDに変更したら、レビューできなく御座候う,映画.comヘ問い合わせ中(  ̄▽ ̄)
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