誰が祖国を売ったか!

劇場公開日:

解説

ヒットラー暗殺計画事件に参加、刑場の露と消えたカナリス提督の、ナチ・ドイツ独裁政権の強制下にあって、終始戦争防止の信念を抱きつつ生きぬいた苦悶の半生を実話風に描いたもの。エーリッヒ・エーベルマイヤーの原作をヘルベルト・ライネッカーが脚色、ドイツ映画界第一線の監督アルフレッド・ワイデンマンが演出した。撮影はフランツ・ワイマイヤー、音楽ジーグフリード・フランツ。主演は「戦線の08/15」のO・E・ハッセ、マルティン・ヘルト、他にアドリアン・ホーフェンなど。

1955年製作/ドイツ
原題:Canaris
配給:ユニオン=映配
劇場公開日:1956年8月14日

ストーリー

ドイツで盗まれたドイツの艦隊造船計画の重要書類は、英国にいた特務員からフェルナンデス(ペーター・モスバッヘル)に渡されそれは直ちにアルトフ(アドリアン・ホーフェン)を通じベルリンの防諜機関長カナリス提督(O・E・ハッセ)に手渡された。或る日カナリスがフェルナンデス、アルトフと会食していると、旧友で新聞の編集長であるハルベック(アルトゥール・シュレーダー)が救いを求めて来た。彼はカナリスを仇敵とする親衛隊長ハイトリッヒ(マルティン・ヘルト)によって罷免され更に逮捕される怖れがあった。カナリスはこの旧友のために偽旅券を与えたが、彼は国境で捕えられ、彼の娘イレーネ(バルバラ・リュティンク)はカナリス機関にとりいって機関内のことを親衛隊に逐次密告すれば、父親のために便宜を図ってやるとハイトリッヒに脅迫された。イレーネはハイトリッヒの副官ベックマンの案内でカナリスと協力しているトレンチ男爵の経営するトランスコンチネンタル会社に行く。偶然これをみたアルトフはカナリスにこのことを知らせたが、カナリスはイレーネを首席秘書に命じハイトリッヒの欲しい資料を彼女に掴ませてやるようアルトフに命じた。アルトフはイレーネの立場に深く同情していたが、やがてそれが恋に変ってゆくのをどうすることも出来なかった。アルトフはパリに特派され逮捕されたが、のちフランスの特務員と交換で釈放、ドイツに戻った。ドイツ軍のオーストリア侵入のニュースに続いて参謀本部長ベックの辞職が突如伝えられた。イレーネは自分の役目がつらくカナリスにすべてを告白、カナリスはアルトフを保護役にしてイレーネを外国に送ろうと約束した。ベックの辞職に驚いた将軍連の間にはヒットラーに対するクーデターを起そうという機運が生れカナリスも参画したが、英国首相チェンバレンがミュンヘンでヒットラーと会見したことで一時沙汰止み。その頃カナリスの副官ホル大佐のところへ旧友のデーゲンハルト大佐が新型爆弾を持ちこんだが、それに気づいたハイトリッヒにデーゲンハルトは逮捕、カナリス機関は危険にさらされたがハイトリッヒの転任、つづく暗殺によって危機を脱した。カナリスのソ連に関する情報もヒットラーには入れられず、パリで親衛隊に狙われているイレーネをアルトフが救おうとしているころカナリスは免職された。最後に試みた七月二十日のヒットラー暗殺計画も失敗、逮捕状を受けとったカナリスは想い出深い自宅を後に静かに去っていった。

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