未完成交響楽(1959)

劇場公開日:

解説

オペラ作家A・M・ウィルナーの音楽劇『三人姉妹の館』を「プリンセス・シシー」のエルンスト・マリシュカが脚色・演出した伝記ドラマ。撮影はブルーノ・モンディ、シューベルトの編曲指揮はアントン・プロフェスが担当した。出演者は「翼のリズム」のカール・ハインツ・ベーム、ヨハンナ・マッツ、ルドルフ・ショック、マグダ・シュナイダー、グスタフ・クヌート、エヴァルト・バルザー、ほかにオペラ歌手ウィルマ・リップ等。

1959年製作/98分/オーストリア
原題:Das Drei maderl haus
配給:東和
劇場公開日:1964年1月12日

ストーリー

ウィーン。無名の作曲家シューベルト(カール・ハインツ・ベーム)の才能を認める友人達は、ハンネレル(ヨハンナ・マッツ)を紹介し、彼に恋心を持たせることによってその才を伸ばすことを計った。フランツは彼女を恋した。彼女は貧しい彼のためにピアノの教師を頼み、何かと心を配ってやった。友人の歌手ショーバー(ルドルフ・ショック)も実はハンネレルに想いを寄せていたが、自分の心と友情の矛盾に悩んでいた。フランツは彼女に対する強い愛情をこめて作曲、友人のショーバーに彼女の前で歌ってくれるよう頼んだ。その詩も愛の告白であり、ショーバーにとっては苦しいことだったが、切々とした甘美なメロディーは誰をも感動させた。歌い終ったとき、感動を抑えきれず、ハンネレルはショーバーの胸に顔を埋めた。彼女も秘かに彼を愛していたのだ。意外な結果を目前にみたフランツは苦しみ悩んだ。二人の結婚式の日、フランツは自作の“アべ・マリア”を演奏した。失恋の苦しみの中で彼は音楽こそ、自分を生かす道であることを静かに自分に言いきかせていた。

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