恋人たちの森

劇場公開日:

解説

フランスの劇作家フランソワ・ド・キュレールの戯曲『非情の地』(23)の映画化。脚色は「空と海の間に」のジャック・レミー、作家のルネ・アルディの共同。(台詞は劇作家のアルベール・ユッソン)「青い女馬」のクロード・オータン・ララが監督した。撮影はジャック・ナトー、音楽はルネ・クロエレック。出演は「狂った夜」のローラン・テルズィエフ、新人エリカ・レンベルグのほか、フランソワーズ・ロゼー、ゲルト・フレーベ、ホルスト・フランクら。製作レイ・ヴァンチュラ。

1960年製作/フランス
原題または英題:Les Bais des Amants
配給:ヘラルド
劇場公開日:1961年3月9日

ストーリー

一九四三年クリスマス前夜、ブルターニュ半島の独軍は、自由フランス軍スパイの侵入の報に緊張した。フォン・シュタウフェン中佐の妻ヘルタ(エリカ・レンベルグ)がやって来たのは、その日の最後の列車だった。遠来の妻をもてなす暇もなく、中佐はヘルタを人里離れたパリズォ夫人(フランソワーズ・ロゼー)の家にあずけた。ヘルタは夫人の息子シャルル(ローラン・テルズィエフ)の部屋を与えられた。ヘルタは二人前のクリスマスの準備をして夫を待った。飛行機がイギリスを出発した。シャルルも乗っていた。彼の使命はクリスマスの朝の爆撃地点を通報して非戦闘員を守ることだった。その後、ある人物が現れて彼を安全地帯に誘導する手筈になった。「恋人たちの森」にパラシュートで降りたシャルルは、逃げ込んだ家の中にヘルタを見て驚いた。前夜は過ぎてゆく。シャルルたちの捜索に追われた中佐は、ついに妻のもとに現れない。敵味方の恨みを越えて、孤独がヘルタとシャルルを結びつけた。爆撃の時間が来た。通信の任務は済んだ。ヘルタと母親を連れて脱出しようとするシャルルを案内に来たのは、ドイツ側に忍び込んだ通訳のアルサス人だった。かつてヘルタを案内したその男は、シャルルに彼女を射殺するよう要求した。二人の男が争っている間に、息子を思うパリズォ夫人は、通訳のピストルでヘルタを打ち倒した。最後の爆撃の波が訪れようとしていた。しかし、シャルルは瀕死のヘルタを置いていけない。パリズォ夫人も思い出深いわが家を立ち去れなかった。遂に爆弾は命中、四人の生命とともにこの家を打ちくだいてしまった。

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