墓にツバをかけろ

劇場公開日:

解説

黒人の弟をリンチで殺された兄が、白人に復讐する物語。原作・脚色はボリス・ヴィアン、監督は二九歳のミシェル・ガスト。撮影をマルク・フォサール、音楽を「鍵穴」のアラン・ゴラゲールが担当。出演は「狂った本能」のクリスチャン・マルカン、「女の一生」のアントネラ・ルアルディ、「レ・ミゼラブル」のフェルナン・ルドウ、他にルナート・ウェール、マリナ・ペトローバ、カトリーヌ・フォントネー等。総指揮ラルフ・アビブ。製作アンドレ・ラブルース。

1959年製作/フランス
原題:J'Irai Cracher Sur Vos Tombes
配給:映配
劇場公開日:1960年1月29日

ストーリー

アメリカのメンフィス郊外。黒人少年が白人の女を犯したといってリンチにかけられ、絞り首にされた。少年の兄ジョー・グラント(クリスチャン・マルカン)の外見は白人そっくりだった。彼は弟の屍体を家もろとも焼き、弟の仇討を誓った。ジョーは素姓を穏し、友人の叔父シャドレイを頼ってトレントへ行った。シャドレイは自分の経営する書店をジョーにまかせることにした。金持の息子スタンの手下がジョーに難くせをつけた。が、相手にしなかった。彼らは他人の情事を盗み撮りし、それを種にゆすりを働いていた。富豪の令嬢リスベート(アントネラ・ルアルディ)は湖畔でジョーに会い、彼に惹かれた。彼女の妹シルビアも熱をあげた。復讐に燃えるジョーは白人の女と次々に関係した。旅から戻ったスタンは、何かとジョーに嫌がらせをした。リスベートはジョーに想いがつのるばかりだった。が、彼女には婚約者のスタンがいた。婚約発表の晩、ジョーは彼女の邸に乗りこんで彼女の気持をただした。彼女は決心がつかない。怒った彼はシルビアと関係してしまった。スタンはジョーを黒人酒場に誘った。そこでスタンが黒人の少女を乱暴しようとしたのをみて、ジョーは彼を殴りつけて邸に戻った。スタンはシャドレイを脅迫して、ジョーが黒人であることを聞きだした。ジョーはリズベートを殺そうとしたが、愛する者を殺せなかった。二人は町を出ることにした。書店に戻ったジョーは、口論のあげくシャドレイを殺した。ジョーが黒人と知ったシルビアは、書店の前に待伏せ彼を撃った。傷ついたジョーは、追って来たスタンをまいて彼を轢き殺し、リズベートのもとへ行った。リズベートのジョーへの愛情は、彼が黒人であることを知っても変らなかった。手をとりあって二人はカナダ国境に向った。車が故障した。警官が二人を制止した。が、きかない。銃声が轟き、二人は折りかさなって倒れた。

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