最後の08/15

劇場公開日:

解説

「〇八/一五」「戦線の08/15」に続く“08/15”の完結篇。今回は戦争末期および米軍進駐時の敗戦心理を描く。製作スタッフは原作ヘルムート・キルスト、脚色エルンスト・フォン・ザロモン、監督パウル・マイ、撮影監督ゲオルク・クラウゼ、音楽ロルフ・ヴィルヘルムと前作同様。主な出演者は「戦線の08/15」のヨアヒム・フックスベルガー、「始めに罪あり」のペーター・カルステン、「街道強盗」のハンス・クリスチャン・ブレッヒ、「誰が祖国を売ったか!」のO・E・ハッセなど。

1956年製作/ドイツ
原題:08/15 in der Heimat
配給:映配
劇場公開日:1957年4月30日

ストーリー

一九四五年、敗北を重ねたドイツ軍は、虚脱と混乱に陥っていた。プレーニェス将軍(O・E・ハッセ)の率いる〇八師団は、ドイツにあって最後の事態収拾に努めていた。上級将校は腐敗し、絶えず陰謀と裏切が起った。大隊長ハウク大佐はホルン少佐に突撃を命じ全滅させ、自分はそのすきに逃亡、少佐は捕虜となった。町の兵舎ではシュルツ大尉が妻のローレと朝から酒びたりになっている。ハウク大佐とグライファー中尉は、ブラーム主計将校を脅迫して隠匿した金塊を奪い、ブラーム夫妻を即決軍事裁判の名のもとに殺害した。このような有様に、アッシュ少尉(ヨアヒム・フックスベルガー)とコヴァルスキイ兵長(ペーター・カルステン)は義憤を感じていた。アッシュの心に勇気と慰めを与えてくれるのは、コヴァルスキイの友情と、バルバラ(ルナート・ウェール)の愛情だった。戦局は終局に近づき、〇八/一五精神の持ち主たちはこういう事態に直面して、自己の身の安全を守ることだけに懸命だった。敗戦とアメリカ軍の進駐。武装解除されたドイツ軍は昔日の影もない。昔の兵舎は捕虜収容所となり、捕虜たちは平和な家庭に帰る日を想った。個々の兵士は決して残虐でも陰険でもない。しかしプレーニェス将軍は幹部連中の腐敗を追求して身の潔白を示そうとしたし、ハウク大佐がホルン少佐を射殺するという事件も起った。アッシュは人間の欲深さと、全体主義に生きる人間の空しさを感じた。収容所の壁の破れから、バルバラがアメリカ兵と歩いて通るのを眺めながら、アッシュとコヴァルスキイは、ドイツの辿って来た〇八/一五精神の阿呆らしさを思うのだった。

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