恐怖の報酬(1952)のレビュー・感想・評価
全19件を表示
前半の退屈は後半の緊張の布石か?
モノクロのフィルムから映し出される寂れた雰囲気そのままに前半は驚くほどのスローテンポな展開なのに対し、後半の身体が硬直してしまい呼吸を止めてしまうくらいの緊張感しか無いストーリーは、名匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の代表作😐
ニトログリセリンという衝撃で爆発するアホな危険物をオンボロトラック2台で目的地まで無舗装の道路を運搬するサーカスみたいな仕事を請け負う話なんだけど、マ王はこの映画が好きである✨
今の映画批判にもなるけど、映像技術やCGの進歩は見た事無い映像まで可視化してくれるサービスと化した🥸
当然、観る側は迫力たっぷりの映像を求めて(製作者もそれに応えて)映画館に足を運ぶ次第なんだけど、一度観た映像には二度目の興奮は無くアクションシーンは違法薬物の如くオカワリを要求してしまう💦
実際に脳内では興奮作用のエンドルフィンやらドーパミンとかの脳内麻薬が生成されてるワケだから仕方の無い話でもあるんだけどね😅
映画好きのマ王は「映画を観る為に動き回る」のが趣味なんだと自覚している脳内麻薬中毒者なので、取り分けてアクションシーンを求めてはいないけど新しいアクション映画だと聞いてしまったら居ても立ってもいられなくなる←人間やめますか?映画止めますか?
本作は派手なアクションシーンは殆ど無い😑
ノロノロと走るトラックが映し出されるトコなんか下手すりゃ出来の悪いモノクロのロードムービーとかに思われるかもだ😆
でも、ニトログリセリン+悪路+トラック+碌で無し4人という組み合わせ自体が既にサスペンス&アクションを含んでいるのよ😬
兎に角、前半の欠伸必至とは真逆の息詰まる後半はおそらく監督の狙い通りだと思う(緩急の落差がハンパない)
見事な演出はマ王が生まれる前の映画とは思えない傑作となっている👍
余談だがアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の名前を見る度に映画「ピンク・パンサー」を思い出すのはマ王が浅学なだけだと信じたい🌀
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
ドキドキとハラハラ度★★★★☆
アクションシーンの表現方法度★★★★☆
まずは『シン・ゴジラ・オルソ』での失礼をお詫びします。そして本作「コスパよすぎじゃね?」
まずお詫びです。
ふたつ前にレビューを書いた『シン・ゴジラ・オルソ』で、「二番煎じ」だとか「柳の下の二匹目のどじょう狙い」などと荒っぽいことを書き連ねてしまいました。
ですが、コメントでご指摘いただきましたように、事実誤認の勘違いの決めつけでした。『オルソ』の方が『マイナスカラー』よりも先の上映でした。
庵野さんの名誉を傷つけるようなことを書いてしまったお詫びはもちろん、ご不快な思いをさせてしまった皆さまに対しても謝罪です。誠に申し訳ありませんでした。
「オマエ如きの戯言を誰が気にする言うねん!」なんですが、やはり謝罪せずにはいられなくて。本当にごめんなさい。
前回鑑賞した『市子』ですが、私の波長には全く合わず楽しめませんでした。
つい、ご飯を食べたり、腕時計の電池交換をしたりの“ながら鑑賞”になってしまいました。←これも謝罪案件。かつ、映画への冒涜な!
『片腕マシンガール』とかに波長を合わせてしまう私なので、そこは仕方ないです。赦してください。
その鑑賞方法が、きっと色々といけなかったのかな…と思って反省をし。
今回は“ながら鑑賞”のできない、洋画の字幕版をチョイスです。
この作品、知っているはずなのに観た記憶がまるでないんですよね。
結末も知っているし、古典的名作のはずなのに。
こちらのレビュアーさんの履歴で見かけて思い出して、鑑賞を決めました。興味もかなりありますので。
てっきりアメリカ産の映画かと思っていたのですが、オープニングのキャスト&スタッフロールの文字を見ると、どうもそうじゃなさそう。
フランス映画、かつ、舞台はベネズエラだったのですね。
観たのは英語版だと思われ。アホの私にでもわかる「ドント・ウォーリー」「ハリー・アップ」の言葉がありましたから。
長い!長すぎるよ!導入部!
町の立たされる苦しい状況や主人公・マリオの為人を、台詞じゃなくて映像で説明しようとしたのはわかるけれど、ちょっと長すぎます。
そしてね、マリオとルイージの名前とルックスが、ゲーム的にまんま逆なのには笑っちゃったの。
マリオがルイージで、ルイージがマリオなの(笑)←何言ってるのか???ですよね。
でも、本作をご覧になられた方なら、きっと同じことを思われましたよね。
そもそも“マリオ”と“ルイージ”ってファーストネームなの?それともファミリーネーム?
マリオ“ブラザーズ”ってんだから、マリオとルイージって同じ姓のはずですよね。マリオ・“〇〇〇〇(ファミリーネーム)”みたく。
だったらマリオブラザーズじゃなくて〇〇〇〇・ブラザーズじゃなきゃおかしいでしょ。
なので、調べてみました。
すると驚愕の事実が!実写映画版『魔界帝国の女神』設定では、マリオブラザーズの“マリオ”ってファミリーネームなんだって!Σ(oдΟ;)!!エッ
つまり映画版に倣うなら、マリオのフルネームはマリオ・マリオなの(笑)
ゲーム設定上ではマリオ・グランカートらしいけれど。←何故か?ほっと安心しました。
また脱線かよ。非常に効率の悪い文章の書き方の見本です。読んでくださっている方々にとっては極めてタイパ悪いですよね。いつも申し訳ありません。
と言うか、『シン・ゴジラ・オルソ』についても、このくらいリサーチしておけば失敗しなかったものを。
脱線話が長い!長すぎるよ!十兵衛、さん!
物語40分あたりから、物語はやっと“起”に入ります。
この映画の舞台と時代的に報酬2千ドルって、今日相場ではどのくらいの報酬なんだろう?とずっと考えていました。
両腕にチャンネーはべらせて札束風呂に浸かれるくらいなの?ユーチューバーでもできそうな感じなの?
「故郷に戻って家を買う。そしてイイ女と結婚する」くらいしか価値観の定規が出てこないんですよ。発想が小市民、かつ、ユーチューバー的。
当たらずしも遠からずでした(笑)
そのくらいだったら、5千万円程度でできそう。
命と引き換えにする金額としては、かなりお買い得価格。雇い主的にコスパよすぎじゃね?
そしてこの映画でも私はヘタレっぷりを露呈してしまいました。
桟橋状の迂回路で、またボールサックが“キュイ~ン”ってなったんですよね。
高さ20mほどの絵なんですが。その高さで“キュイ~ン”なんですよ。リアルじゃなしにモニタの絵で。
これ、もう克服できないのかなぁ。
トラック山盛りのニトロの爆風で鎮火させるには、火災の規模が小さすぎるように思えたんですが。だったらニトロ的にはコスパ悪すぎじゃね?
ラストの「美しく青きドナウ」で、ソッコーでイヤ~なフラグ立ったんですよね。
案の定かー!ですよ。
浮かれる気持ちはわからんでもないけど、あんな運転したらアカンわー。ですよ。
ユーチューバー的には「やったった!(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤァ!」をスマホ実況してた感じ?
今日の目で見ると、どうしても厳しい評価になっちゃうんですが、プロット自体が教科書とも言える秀作なので、この評価にしました。
つい最近作の『アイス・ロード』VFXバンバン使いまくったくせにもうひとつやったし。
今回もレビューが“起”に入ってから“結”に来るまでの文字数が、だいたい500文字。
対して“まくら”は倍以上の1300少々。
マリオ云々だけで300文字。
こちらはタイパ極めて悪い。
なぜそこまでして
初めに、荒くれ者を集めて説明するシーンで、
なぜかの緊張感!
これか!?
凄い、演者だけでなく観ているこちらまで
緊張してしまう、 何気ないシーンなのに。
ニトロを使って山を爆破するシーン、
仕掛けている人、
命大丈夫かな?
昔の人は何でも知っているんだな?
今の人、できる?
やっぱり、先の車が爆発した。
黒いタールの池からが、圧巻だった。
抜け出る術を知るジョーの知恵にも驚いたが、
仕方ないからとジョーを轢くマリオ、
ドキドキハラハラがぴったり!
ジョーが池に浸かり顔まで真っ黒になって
喉が渇いて水が欲しい、と訴えている時、
まず何かで顔拭いたりよ、
と言ってた自分がいた。
ほんとに俳優さんも大変、
ほんとに 恐怖の報酬、
マリオ、やっぱり事故ってしまった。
私でさえ先のストーリーが大体読める。
しかし、冒頭からの緊張感や、
橋か板から抜け出した途端落ちるシーン、爆発、池からの脱出、ジョーの死など
ハラハラドキドキする場面が随所にあり
そのドキドキ感が半端なかった。
主人公を全く好きになれなかったので、バッドエンドとはいえ、なんかそ...
主人公を全く好きになれなかったので、バッドエンドとはいえ、なんかそうだよねえと。そこに集約させるためのヒヤヒヤと主人公の嫌さとも言えるか。
実は心臓のお薬でもあるんです‼️
2000ドルの報酬は運転の労力に対してではなく、恐怖の体験に対して支払われます‼️なんという残酷な報酬‼️技師がたった一滴のニトロで爆発を起こし、これで観てる我々の脳裏にも恐怖が植え付けられます‼️さあ、揺れたら即あの世行きのニトログリセリンを運ぶトラック運転手たちの焦燥を描いた、地獄のデリバリー映画の始まり、始まり‼️コースには木が腐った吊り橋脱出、断崖のカーブ、道を塞ぐ大石の除去作業、重油の泥沼道などの多種多彩な障害、骨休めに山の上からの石ころのゴロゴロ攻撃‼️ジリジリ焼けつくようなスリル、そして胸が締めつけられるような恐怖の提供度合いはハンパありません‼️そして全てをクリアし、賞金をゲット、安堵した帰り道での大ドンデン返し‼️油断大敵な超傑作ですよ‼️
『私は心配する係だ』
『最後まで二人で行くんだ。お前の力が必要なんだ。最後までな』
『お前は若いからラッキーだ。俺はもう老いぼれだ。』
この会話が要なのだと思う。正に名作た。
『私は心配する係だ』
『PLAN75』で、感動した方はこの映画を是非見てもらいたい。
ガキの頃(小学校三年生から五年生)見た時の印象が焼き付いていた。あれから、50年位経って二回目の鑑賞とは思えない。間で見た事あるのか?思い出せない。しかし、リンダ役の女性の魅力に取り憑かれた事を思い出した。最初に登場する場面が僕を早熟にさせたと記憶する。
この二人、友情以上の物があると感じるが、どうなのか?
サスペンス映画を代表するクルーゾー監督の演出の凄さとシャルル・ヴァネルの名演
サスペンス映画の筆頭に挙げられる、このアンリ・ジョルジュ・クルーゾー作品は、その評価に反しない実力と完成度を持っていた。危険極まりない大量のニトログリセリンを輸送する恐怖感を単刀直入に描破した演出の迫力と、緊迫した極限状態に置かれた役者の演技の両立により、その圧迫感は観る者に映画ならではの醍醐味を与えてくれる。
上映時間2時間10分の構造は明確に三部構成になっていた。第一部はベネズエラの街ラス・ピエドラスに居る主要登場人物と街の説明で、貧しい村落とその民衆、そして熱い日差しの気候が表現されいる。イブ・モンタン扮するマリオがよく出入りする薄汚れたバーの場面が面白く描かれており、そこの主人始め現地の人たちの性格描写もいい。ここにはマリオの恋人リンダがアルバイトをしている。しかし、何故彼ら白人がこの辺境の地に流れ着いたのかは、よく分からない。定職に就かない男たちの吹き溜まりのような場所であり、惨めに見えるが同情も出来ない。クルーゾー監督は人物を客観的に、あくまで乾いた演出タッチで描いている。だからマリオと友達付き合いになるジョーという中年男も謎の人物のままであり、通常の人間ドラマの深さはない。もっともニトログリセリンを積んでおんぼろトラックを運転する過酷な仕事に挑む男たちが、極普通の価値観や生き方をしてきたとは想像できない。この前提があり、アメリカ資本の石油会社は、4人の男たちに2000ドルずつの報酬を契約する。
第二部はサスペンスフルなクライマックスが連続する。険しい山道の上りのカーブを補強する木製の建造物がトラックの重さで歪む。その板を支えるワイヤーがマリオのトラックに引っ掛かり、車が何とか回り切るとその板が崖に崩れ落ちていく。この時ジョーは既にこの任務に怯えて自信を無くして怖気付いた醜態を晒している。次は大きな岩が道を遮っている。少量のニトロを注ぎ込んで爆破させるが、その破片が待機したトラックのニトロの容器に落ちてくる。ジョーを演じるシャルル・ヴァネルの恐怖に慄く表情が巧い。そしてマリオたちの先に行くトラックが悪路の振動で大爆破して車ごと木端微塵になり、男ふたりが跡形もなく消えてしまう衝撃が続く。道には石油が溜まり、ゆっくり通り越そうとするが、マリオの慎重な運転にも拘らずジョーの片足を引いてしまう。この事故を演出するクルーゾータッチとヴァネルの演技の凄さ。
第三部は、ひとり成功して生還するマリオの帰路と、ラス・ピエドラスで彼を待つリンダがカットバックされ結末を迎える。これ自体がラストカットのように物語を決定付ける語りの上手さがある。
巧みな構成によって作られたスリルとサスペンスの強烈で生々しい迫力に圧倒される。俳優の吐息が聞こえるようなクルーゾーの演出と特にシャルル・ヴァネルの名演が印象に残る、映画史に記録されるべき傑作だった。
1978年 10月21日 新宿アートヴィレッジ
人間を見事に描いたサスペンスアクションの名作
金のために命がけの仕事を引き受けた男たちの苦闘を描いた映画だが、 現代のサスペンスアクションとは種類が違う。
ストーリーは単純だ。 男たちが、トラックで液体爆弾を目的地まで運ぶという極めて危険な仕事を引き受けるところから始まる。 成功すれば大金が手に入るが、道中は危険な悪路ばかり。 ナビゲーターとドライバーは、互いに猜疑心を抱きながらも協力し、様々な危機を乗り越える。 そうした中で、二人の関係が変化していくのだが、 同時に運命のクライマックスも迫ってくる。
これが現代のサスペンスアクションなら、映像技術を駆使して危険な状況をリアルに映像化することに力点が置かれるだろう。 が、この作品が焦点を合わせているのは、状況ではなく人間そのものだ。 二人の心理的葛藤をドラマティックに演出し、それが見事に成功している。
その結果、観客は自然と二人の心に同調し、二人が直面する危機的な状況に同じ気持ちで立ち会うことになる。 だから、スリルや緊張感をより実感として体験してしまうのだ。 人によっては、焦りや絶望感や悲しみ、怒りの感情だけでなく、 体臭や乾いた砂、ぬかるみの感触、トラックの油の臭いまで体感してしまうかもしれない。
カンヌ映画祭でグランプリと男優賞を受賞しているが、文句なしに納得だ。 昭和6年生まれの母が、戦後に観たこの映画の面白さを繰り返し絶賛していたことを思い出す。
展開が読めるようで読めなかった
最初の場末の街の暑くて能天気な場面からの長い長い絶望のドライブ。洒落ぶったフランス人のおっさんがあんならすとになるとは。元祖サスペンス映画、って感じだけどちょっと長かったな。わずかな振動で爆発するというニトロ、まあまあの悪路通ってたけれども。
サスペンスとしては上手く作られているが、人間ドラマとしては物足りないところも
ニトログリセリンを運び主人公達に訪れる幾つかの危機(大きなトラックを右折できる道幅が無い、道路が岩で覆われてる等)とその克服ストーリーは、絵で見せる要素大で、実に映画的でよく出来ている。
ただイブモンタンとその相棒シャルル・バアネルの関係性にあまり説得力を感じなかった。何故怖気付いた年寄りの相棒をあそこまでいたぶり殴るのか。そして、足をトラックで轢かれてとはいえ、どうして数時間で死んでしまうのかに説得力無し。あと、相棒の死に際の言葉は意味がわからなかった。
ラストのダンスと交互にトラックの浮かれた運転と悲惨な転落は秀逸。ただ、もう一台は何故爆破して吹き飛んだのか、その要因示す映像が欲しかった。
となりのニトロ
149分に及ぶ大作。前半では危険な条件を飲むしかない労働者たちとアメリカ人の資本家たちとの対立する構図も浮かび上がる社会派作品となっている。
マリオはフランス人でその日暮らしの流れ者といった雰囲気だが、帰国しようにも金がない。そして来るのは簡単だが、抜けるのは困難といった辺境の町。職がなく食うのが精いっぱいという者たちで溢れかえっているのだ。そんな彼にも酒場で働く恋人リンダ(ヴェラ・クルーゾー)がいるのだが、彼らの住む町にフランスからいわくつきの顔役ぽい男ジョー(ヴァネル)がやってきて、ジョーを兄貴分と慕ったおかげで、リンダはホッタラカシ。トラックにしがみつくリンダを振り払うシーンなんかでは可哀そうに思えてくる。女優クルーゾーはセクシーでしかも腋毛も魅力的なのだ。
かつては密輸で儲けてきたジョーもふらりふらりと旅をして、金が底をついたためこの町にやってくるしかなかったのだ。知り合いである石油会社役員のオブライアン(ウィリアム・タッブス)に掛け合うが相手にされず、マリオの仲間であるルイジ(ファルコ・ルリ)とも折り合いが悪くなってしまう。ちなみに、このルイジ、スーパーマリオにそっくりだ(笑)。名前が逆じゃん・・・
そんなときの大火災。現地の労働者も13人死亡。労働争議とか革命とか、一触即発の雰囲気さえ見せるのだが、アメリカに占領された感もある石油会社。今でも続く、利権主義の大国じゃ太刀打ちできない。そして、ニトロの運び屋には流れ者で家族のいない者を選抜する。選ばれたのはマリオ、ルイジ、ビンバ(ヴァン・アイク)、そしてスマーロフ(ジョー・デスト)だったが、ジョーは多分脅迫によって一人2000ドルの報酬の仕事を手に入れた。そして、選ばれなかった一人の若者も自殺・・・母親へ仕事が見つかったから安心してと手紙を書いたばかりなのに。
後半はスリル満点のニトロ運送。山道の切り替えし場所や巨大な落石、そして原油の沼を突破するなど、手に汗握る展開となる。現代からすると稚拙な部分もある映像なのに、スリップするタイヤの大写しなどはかなりインパクトがあるのです。
そしてジョーの性格の変貌ぶり。トラックは二台で進むのだが、ジョーと組んだマリオのおかげで、ヤクザのような性格から、徐々に小心者の性格が浮き出てくる。この性格の変貌がまた面白い。
火災現場に生きてたどり着いたのはマリオ一人。アメリカ人たちからは勇気を称えられ労いを受けるが、喜んで帰る途中はよほど楽しかったのか危険な蛇行運転。やっぱり彼もトラックごと崖から転落。救いようのないエンディングを迎える・・・
アメリカ資本主義と、フランス人、イタリア人の流れ者労働者。そして映像には出てこないが危険な労働を強いられる現地の労働者。現代にも通ずる構図があるということは、世の中何も変わってないということか・・・
面白い!引き込まれる
手に汗握るとはこのこと
そこが山場だろと分かっていても、そのさらに上を行くサスペンス
主演のイブ・モンタンが格好いい!
あの枯葉の彼です
俳優でも一流であることをみせます
ジャン・ギャバンを一回りもふた回りも若くしたらこうなるかという感じ
デビッド・ボーイをフランス人にしたらこんな感じかと思わせるバイセクシャルの雰囲気
ジョー役の役者の演技がまた良い
後半の心が折れていく過程の演技が見もの
あとリンダ役の女優が美しく可憐
スクリプトガールの彼女を監督が嫁にして女優させるわけだわ!
小柄で細くて小動物を思わせるかわいい仕草、ノックアウトされました
楽しめる第一級の娯楽作品です
ハラハラドキドキの古典
子供の頃観た印象では、もう少し緊迫感があったと思ったのだが、近年の刺激過多の映像に慣れてしまっているから仕方ない。
金のために命をかける男達が、皮肉たっぷりに描かれている。
ニトロ運搬の話が出るまでが、なかなかに長い。男達の生活背景や人間関係を見せているのだろうけれど、何が言いたいのかは判りづらい。ここは大胆に省いて良いと思うが、当時のこの映画の意義としては必要だったのかもしれない。
長いイントロを経て、やっと危険なミッションに入ると、ニワカに面白くなる。次から次に難関が現れ、かいくぐっていくのだが、これがスリルに富んでいるので面白いのだ。
登場人物の性格設定や心理描写は、やや雑な気がする。
特に主人公の心理が判らない。
相棒に対する感情も判らないが、ラストの浮かれ振りは異常ささえ感じる。
雑な感じがすごくよかった
どの国が舞台なのか分からなかったのだけど、アフリカの北の方だろうか、登場人物の雑な生活ぶりが野生に近くて、開放感を感じさせすごく活き活きとしていた。特にあいつとばっか遊んでいるから、もう遊ばないというようなやり取りを男女問わずにしていて、それで女を泣かすとか、小学生のメンタルだった。職にあぶれた男たちが、飲み物を注文しないのに酒場にたむろしているのは、ゲーセンでお金もないのに遊びに行って他人がゲームをやるところをただ見ていたり、誰かおごってくれないかなとひたすら待ち続けているように見えた。
主人公のダルダルで穴の開いたタンクトップが随分お気に入りのようなのだが、当時、それは本当にオシャレだったのか非常に疑わしい。最終的に主人公が年長の仲間のジョーをひき殺したも同然なのだが、それも仕方がないような感じがした。
山でトラックを切り返すところは、前がスカスカに空いているのに、わざわざギリギリまでバックするなど、あれでドキドキするのは運転しない人だけだ。それか、もしかしたら、それも小学生的なメンタルでギリギリまで下げなくてはいられなかったのだろうか。
登場人物で、マリオが主人公で、同居していた友達がルイージという名前だった。スーパーマリオのキャラクターはここから来ているのだろうか。
マリオと一緒に乗っていたジョーが「お前も年をとれば分かる」と老化での衰えについて泣き言を漏らしていたのが非常に切なかった。
ただ2時間半もあって、けっこう飽きた。
汗と油とニトログリセリン
静かに、そしてゆっくりと慎重に走り続けるトラック。その荷台にはニトログリセリン。この設定だけでもう緊迫感は確信できますよね。トラックが走り始めた時のあのゆっくりとした進行を見た瞬間、あぁ、これはもう映画ですと感じましたね。
命懸け任務のわりに緊迫感が少なく感じる
総合:60点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 55
音楽: 50
仕事もなく流れ着いた町でたむろしてくだらない不善ばかりをしている希望を失った男たち。その彼らが高額につられて危険な仕事に挑むのだが、仕事にいたるまでの時間が必要以上に長くて、最初の数十分は物語が進まずに退屈する。ここはもっと濃縮して欲しい。
本筋のほうでは、橋や岩や石油漏れなど、任務の危険や問題を解決する機知など見所はある。だけれども現代の映画を見慣れていると、それほど緊迫感が高いとは思えなかった。危険物を輸送しているため、何かにつけてゆっくり慎重にみんなが動いているからかもしれない。命のやり取りをしている割には、何か全体として時間がゆっくりと進んでのんびりしている感覚がある。ここがこの映画をあまり高く評価出来なかった最大の理由。
任務に参加した者や参加しなかった者も、それぞれの事情や人間関係が散りばめられている。特にシャルル・ヴァネル演じるジョーは、昔はいろいろやったちょっとは名の知れた男だったらしいが、臆病になっているのが任務の中で明らかになるのが面白い。実はそれは彼の昔の相棒だった石油会社の所長が指摘したところで、歳をとれば人間は本人すらも気が付かないうちに変わるものなのだ。ここが一番楽しめた部分だった。
全19件を表示