愛のほほえみ

劇場公開日:

解説

大人の愛に傷つぎながらも肉親の愛を求め続ける少年の生と死を描く。製作はルチアーノ・マルティーノ、監督はセルジオ・マルティーノ、脚本はサウロ・スカボリーニとセルジオ・マルティーノの共同、撮影はジャンカルロ・フェランド、音楽はアルベルト・ポメランツが各々担当。出演はアレッサンドロ・コッコ、センタ・バーガー、ジョン・リチャードソン、サビーナ・ガッディ、リノ・トフォロなど。

1974年製作/イタリア
原題または英題:La Bellissima Estate
配給:東宝東和
劇場公開日:1975年9月27日

ストーリー

ルーカ(A・コッコ)はもうすぐ九歳になる。バカンスも終わろうとしているのに母エマヌエラ(S・バーガー)は、父ビットリオ(J・リチャードソン)のいるミラノに帰ろうとしない。ルーカは寂しかった。新学期がやってきて、ルーカは村の小学校に転入学することになった。ある日、友達になったマルコにある決意を打明けた。「パパに会いにミラノに行くよ」。協力を申し出たマルコの大活躍が始まった。隣りの別荘に住む公爵夫人の孫娘で仲良しのオルガ(S・ガッディ)、ちょっと男のおかしい“男爵”も協力して多すぎる程の旅費も出来た。こうして、ルーカ、マルコ、“男爵”を乗せた飛行機はミラノにむけて飛び立った。ミラノに着いた三人は空腹をこらえてパパの会社に急いだ。社長室のドアを開けて飛び込んだルーカは掃除婦のおばさんに、社長は死んだといわれ、気を失った。それからどうなったのかルーカは覚えていない。やがてエマヌエラは、パパが九月にレースで事故死したことを教えた。あの幸福な日々はもう帰ってこない。ルーカはマルコたちの励ましで、ようやく立直ろうとしていた。運転手のピエトロに手伝ってもらい、ルーカとマルコは手製のゴー・カートの組立てに懸命だ。それは、パパが乗っていたあのレーシングカーを真似たものだ。試運転だ。ルーカはマルコの心配をよそに坂を下っていった。ハンドルを握るルーカの前に乗用車が走ってきた。ルーカはよけそこなって道路脇にあったボートに激突した。マルコたちが心配そうにルーカの病室の窓を見守るなかでルーカの命の灯がいま消えようとしていた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

2.5感傷的な児童映画にみるイタリアという国

2020年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ルイジ・コメンチーニ監督の佳作「天使の詩」と同系列の児童映画。イタリアやスペインのラテン映画は、情愛がストレートで信心深い国民性からなのか、お涙頂戴の子どもの映画が多い。ただ、この作品はストーリーに無理がある。子供たちに同情できる言動の描写がなく、感傷的な演出ばかりが返って涙を誘わない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav