真夜中の救急車

劇場公開日:

解説

救急車に乗り合わせている四人を主人公に、かれらの平凡だが緊張した一夜の仕事を追いながら、現代ソビエト人の様々な生活模様を描く。監督はアジダル・イブラギモフ、脚本はウラジミール・クーニンとセミョン・ラスギン、撮影はマルガリータ・ピリーヒナ、音楽はアリフ・メリコフが各々担当。出演はゲオルギー・タラトルキン、アントニーナ・シュラーノワ、エカテリーナ・マルコワ、アナトリー・パパーノフなど。

1974年製作/ソ連
原題または英題:ДЕЛА СЕРДЕЧНЫЕ
配給:日本海映画
劇場公開日:1975年6月24日

ストーリー

リーダ(A・シュラーノフ)は一風変わった性格だった。皮肉とも思える彼女の言葉の奥には、人間に対する深い憐憫と善意を秘めている。彼女は三三歳で独身だった。エヴゲニー・パヴロヴィチ(G・タラトルキン)は若い真面目な医師で病に苦しむ人々が自分を必要としているのを見るにつけ、異常と思えるほど献身的につくす。その彼が好意を寄せている若いナターシャ(Y・マルコワ)はこうした彼を真に理解できず、彼を「神聖な理想主義者」とののしる。そして運転手のボリス(A・パパーノフ)の四人が一チームとなり救急車に乗り合わせて活動していた。この夜、三回目までは全員で出動した。だが四回目はナターシャが体の不調を理由に出動しなかった。四回目は最も難しかった。自動車修理工場の仕上げ工セリヨージャは仮死状態だった。複雑な胸部マッサージでしか心臓を甦えらせることはできない。だがナターシャがいなかったために手が足りなかった。しかしボリスの手助けで何とかきり抜けることができた。夜が明けて、仕事を交替するとき、エヴゲニーはナターシャへの自分の思いが誤っていることを理解した。リーダもエヴゲニーへの秘かな共感がやはり空しいものであることを知った。ボリスは仕事から解放されると、通りがかりのトラックを止めて、建築中である別荘を完成すべく郊外へ向かった……。

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