ガンモール おかしなギャングと可愛い女

劇場公開日:

解説

お人好しの娼婦とギャングの親分の奇妙な愛情を描く。製作はカルロ・ポンティ、監督は「夜は盗みのために」のジョルジョ・カピターニ、脚本はエルネスト・ガスタルディ、原作はコーネル・ウーリッチの『カラー』、撮影はアルベルト・スパノーリ、音楽はピエロ・ウミリアーニ、編集はレナート・チンクイニが各々担当。出演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、アルド・マチオーネ、ピエール・ブリスなど。

1975年製作/イタリア
原題または英題:La Pupa Del Gangster
配給:ユナイト
劇場公開日:1975年5月7日

ストーリー

一点のシミもない白いスーツに身を包んだハイカラ・チャーリーことカシオ(M・マストロヤンニ)は、忠実な部下ショパン(A・マチオーネ)を従えて、今日もヘリコプターで縄張りの視察に出かけた。ミラノ郊外の自動車道路沿いに点々と店を張る売春婦たちの中で、見慣れぬ女が一人いる。あれぞ宿敵ハムレットの組織に属するシャバ荒らしの女と聞いて激怒したチャーリーは、“直ちにハムレットを葬り、あの女を俺の組織に入れろ”と命令した。かくて娼婦プパー(S・ローレン)はチャーリーの組織に組み込まれた。だがグラマーでおっちょこちょいのプパーはやることなすことドジばかりで稼ぎの方はさっぱりだ。ある夜、ショパンに連行されようとしたとき、彼女に一目惚れしていた美男子のランベリ(P・ブリス)に助けられた。娼婦失格のプパーはナイトクラブのダンサーに廻された。そのとき、視察にきたチャーリーはプパーの美しさに見惚れ、放心状態となった。プパーはその日からチャーリーの情婦に昇格した。チャーリーはプパーの姿に“わが青春のリタ”を見出したのだ。幼き日、くい入るような瞳で見つめた映画「ギルダ」のリタ・ヘイワース。チャーリーはプパーにそのラブシーンを再現させ、コトが終わるとひとり満足して大いびき。プパーにもやっと事情がのみ込めた。とにもかくにも、チャーリーはプパーを道具としか思っていないのだ。ある夜、マフィアより大きな組織にのし上がったチャーリーの祝賀会が催され、引出物として彼に贈られた女がまたまたリタそっくり。チャーリーはその夜から新しい女アンナに熱中した。そんなある日、自慢のカラーに真っ赤な口紅をつけて慌ただしく帰宅したチャーリーがショパンに、アンナを射殺したが愛用のライターを現場に置き忘れたと打ち明けているのをプパーは盗み聞いた。二人はアンナの拳銃に彼女の婚約者の指紋をつけて現場に残し、ライターを持ち去ってから警察に通報しようと手筈をととのえていた。ついにチャーリーの手から逃れるチャンスが到来したプパーはショパンを尾行し、先回りして偽の証拠をすべてぶちこわした。警察はこのマカ不思議な殺人事件に首をひねったがプパーに一目惚れした美男子のランベリが事件の謎を解きあかした。何と彼は敏腕を持ってなる警部だったのだ。こうして彼はプパーの隠れた援助を得て、遂にチャーリーの動かぬ証拠を手に入れた。しかしチャーリーはプパーの裏切りを知って彼女を湖に沈めるべく、一路スイスに向かった。だが、その車の屋根にはランベリ警部がしがみついていた。必死にランベリをふり落とそうとするチャーリーはショパンにスピードを上げるよう命じた。しかし振り落とされたのはチャーリーだった。いまチャーリーとショパンは二十年の刑に服している。サッソーと面会に現われたのはプパー親分で、一の子分として従うのはランベリだった。

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