水滴(しずく)

劇場公開日:

解説

愛くるしい容貌に女の性を秘めた少女の、陰影に富んだ姿を描いた作品。製作指揮はマイケル・クリンガー、製作はグイド・コーエン、監督は新人アラステア・リード。ティナ・チャッド・クリスチャンの原作をアラステア・リード、グイド・コーエン、マイケル・クリンガーが共同脚色。撮影はデスモンド・ディキンソン、音楽はマックス・ハリス、編集をジョン・グレンが担当。出演は新人リンダ・ヘイドン、キース・バロン、アン・リン、ドレク・ラムデン、ディック・エミリー、「謀略ルート」のディアナ・ドースなど。

1969年製作/96分/イギリス
原題または英題:Baby Love
配給:ブエナ ビスタ
劇場公開日:1970年3月14日

ストーリー

貧民街に育ちながらも、美しく生命力に溢れた少女であったルーシー(L・ヘイドン)は、荒れすさんだ生活に疲れた母親リズ(D・ドース)の自殺に遭遇してから、性格が一変してしまった。やがて彼女は、昔の恋人リズの遺言の手紙を受取った医師ロバート・クェルズ(K・バロン)の家へ引取られることになった。新しくぜいたくな環境に圧倒されながら、彼女の心は迷子のような不安な気持と、女としての目覚めの中で、揺れ動いていた。そんな彼女に、クェルズ家の人々は次第に影響されていった。特に、一人息子のニコラス(D・ラムデン)は、いつのまにか、ルーシーの忠実な護衛者になり、パーティなどで彼女の示す挑発的な態度は、彼を苦しめるのだった。またロバートの妻エーミー(A・リン)は、夫のいない孤独の夜を、ルーシーとの同衾によって慰めていた。一方、ルーシーは、父ともいうべきロバートに惹かれ、変なそぶりをみせるようになり、ロバートも、ルーシーへの感情の高まりを、おさえきれなくなっていた。そして、家庭崩壊の危機を感じたロバートは、ルーシーを寄宿舎へ入れようとしたが、エーミーの異常な愛憎を利用して、彼女は激しく抵抗し、さらにその日から、彼女は大胆な態度で、ロバートに積極的に迫って行くようになった。そんなある日、ニコラスは、父とルーシーとの激情の場面をかいま見て、激しく打ちのめされてしまった。そして、ついにロバートは、ルーシーを家から出す決心をしたが、彼女は保身本能をむき出しにして、自分に対するエーミーの異常な欲情を、白日のもとにさらけ出してしまった。ちょうどその頃、ロバートの友人ピアソン(D・エミリー)が、パーティの出迎えに来たが、クェルズ家の中で彼のみたのは、その家を征服したかのごとく、階段の上に立つ、成熟した一人の女、ルーシーであった。

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