シュトロツェクの不思議な旅

解説

ベルリンからアメリカへ渡った男達の夢に、複雑に錯綜する現実がのしかかっていく彼らの旅を描く。製作はヴァルター・ザクサー、監督・脚本は「小人の響宴」のヴェルナー・ヘルツォーク、撮影はトーマス・マウフ、エド・ラッハマン、音楽はチェット・アトキンズ、ソニー・テリーが各々担当。出演はブルーノ・S、エーファ・マッテス、クレメンス・シャイツなど。16、イーストマンカラー・ビスタサイズ。

1977年製作/110分/西ドイツ
原題または英題:Stroszek

あらすじ

ベルリンの刑務所より釈放されたシュトロツェク(ブルーノ・S)は、娼婦エーファー(E・アッテス)と再会。彼は年金生活者のシャイツ老人(C・シャイツ)と共に、彼女を共同生活者に迎えるが、彼女の情夫達より脅迫を受ける。3人は、それからのがれるために、アメリカはウィスコンシンに渡り、モービル・ハウス(移動式住宅)をローンで購入した。アメリカでは働きさえすれば金持ちになれると信じるシュトロツェクは自動車修理工場に、エーファーはウェイトレスとして各々働き、シャイツは奇妙な理論に熱中する。しかし、彼らは月賦が払えず、住宅は人手に渡り、エーファーはトラックの運転手とカナダへ駆け落ち。金に困ったシュトロツェクとシャイツは強盗をはたらき、奪った32ドルでスーパー・マーケットに買物に行き、シャイツは捕まる。一方、逮捕をまぬがれたシュトロツェクはインディアン居住地区へ逃げ込む。インディアンの服装の彼は、遊戯場の人形のスウィッチを入れ、スキー・リフトで山へ登っていく。やがて、警官隊が到着し、無人で燃えていたトラックは爆発し、リフトの方から銃声が聞こえてくる。旅は終わったのだ。

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(C)Werner Herzog Film

映画レビュー

4.0 アメリカンドリームの理想と現実

2025年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ベルリン
刑務所では愛されキャラ、世慣れしていない
シャバに出たら何もかもうまくいかず
音楽だけがすべてであり、しかし稼げない
それでも彼の味方はいて3人でアメリカへ渡るが
現実はもっと過酷であった

カウリスマキのレニングラードカウボーイズゴーアメリカを思い出しました あれも散々な目に遭うおとぎばなし

ドキュメンタリータッチな鬱屈した現状に
随所で鳴り響くピアノやカントリーの調べが
天から差し込む光のように感じた

ピアノの上でのたうち回ったり、
ぐんぐん登っていくロープウェイ、炎上する車、
強烈なイメージが目に焼きつく

アギーレ、神の怒りがぼくとアールと彼女のさよならで出てきたのが嬉しかった

あのヘルツォーク
消費文明社会に、おのれの野性が牙をむく
常軌を逸する!

純粋さを蝕む世俗を蹴散らせ!

へんな元気が湧いてきました

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青樹礼門

2.5 移民の大半は貧乏で汚くて犯罪者ばかりであるというレッテル張りの裏側...

2022年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

移民の大半は貧乏で汚くて犯罪者ばかりであるというレッテル張りの裏側にはこんな景色が広がっている.アメリカの借金で追い込んで銀行と警察で首を絞めていくシステムも気持ち悪い.構造的な問題にぶち当たって,やり場のない憤りを自分に向けて自殺してしまう映画ばかり最近は見ているが,これも例にもれず面白かった.

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ケ

4.0 アメリカで夢を

2016年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

シュトロツェクは刑務所を出て、娼婦のエーファーと出会い、アパートの老人と三人で暮らし始めるが、エーファーのチンピラ情夫二人に絡まれてうっとおしくなる。
三人は何もかも捨ててアメリカに渡り、暮らし始めるのだが・・・。
シュトロツェクは悪人ではなく、吟遊詩人の趣だ。

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いやよセブン