ピルクスの審問

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解説

人類にそっくりのロボットは、人間にとって味方なのか、それとも敵なのか? スタニスラフ・レムの原作『宇宙飛行士ピルクス物語』(早川書房)に基づき、マレク・ペストラクが監督したSF。脚本はペストラクとウラジミール・ワルツキーの共同。撮影はヤヌシ・パヴロフスキー、音楽はアルヴォ・ピャルトが担当している。出演はセルゲイ・デスニツキー、ボレスラフ・アバルト、「誓いの休暇」のウラジミール・イワショフ、「ストーカー」のアレクサンドル・カイダノフスキーなど。トリエステの国際SF映画祭で金のアステロイド賞を受賞している。

あらすじ

宇宙飛行隊長ピルクス(セルゲイ・デスニツキー)はスキーを楽しんでいるところを、ユネスコ事務局から呼び出される。そして、あるコンツェルンの社長室で重要な事実を知らされた。すでにいくつかの国ではサイボーグの実用化が進んでおり、まもなく宇宙船のメンバーに加えられるというのだ。宇宙船の操作を行なうのに、人間よりサイボーグの方が安全性が高いと予想された。彼らは反応が早く、睡眠することもなく、疲労感もなければ、病気にかかることもない。重大な破損がおきても、機能を果すことは可能である。コンツェルンの会議は、宇宙飛行中のサイボーグの能力を解明するためのテスト・フライトの隊長にピルクスを選んだ。その誠実な人柄から、彼の判断は信頼できると目されたのだ。彼の報告は広く公表され、否定的ならば、サイボーグ使用は中止されることになる。一方、ユナイテッド・アトミック・ラボラトリー社は、ピルクスに不安を抱き、ピルクスの車をつけ巨大トラックで襲うが、失敗する。ピルクスはユネスコの提案を受け入れ、宇宙船ゴリアテで土星へ向かう。乗り組員はピルクスの他に、第一パイロットで神経学者のカルデル(Z・レセニ)、サイバネティックス学者のトム・ノワク(アレクサンドル・カイダノフスキー)、電子工学者のヤン・オティス(ボレスラフ・アバルト)、第二パイロットのハリー・ブラウン(ウラジミール・イワショフ)、技師のクルト・ヴェーベル(T・サール)の五人で構成されている。あらかじめ偏見を持って観察しないよう、誰がサイボーグなのか、ピルクスは知らされていなかった。そこで、ピルクスは乗り組員の正体を見抜くため、さまざまなテストを編み出す。彼らの方でも、ピルクスに力を貸そうする者もいる。やがて、カルデルが反抗する。人間に服従したくないという願望と非のうちどころのないメカニックな本性が、か弱い人間の肉体に優越していると確信していたからだ。カルデルは飛行の放物線を変え、宇宙船を宇宙の奈落ヘ追いやろうとした。しかし、サイボーグは一つのことを考慮していなかった。複雑な状況に追い込まれたピルクスが人間的弱点をさらけ出し、危機一髪の瞬間に命令を下さなかった。それをサイボーグはピルクスの慧眼と思い込んた。ピルクスはハリーと一緒にカルデルと争い、カルデルは破損した。地上に帰還すると、ピルクスは字宙法廷に立たされた。彼はなぜ高価なサイボーグの破損を末然に防げなかったのかを説明し、彼らが宇宙で取った行為が正しかったことを証明しなければならなかった。ピルクスのため証言台にあがったトム・ノワクの供述は、理路整然としたもので、言葉の端々に知性と愛情と人間性がうかがわれた。無罪となったピルクスは、同僚に対する感謝の気持にみたされた。だが、トムもサイボーグだった。思考するサイボーグは人間とほば同じ能力を持ちあわせていたのだ。

1979年製作/ソ連・ポーランド合作
原題:ДОЗНАНИЕ ПИЛОТА ПИРКСА
配給:日本海映画

スタッフ・キャスト

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