桃色の店(街角)

劇場公開日:1947年8月

解説

「天使」「青髭八人目の妻」のエルンスト・ルビッチが製作、監督した映画で「お人好しの仙女」のマーガレット・サラヴァンが「わが家の楽園」のジェームズ・スチュアートと主演する。ニコラウス・ラスロ作の戯曲に基づいて「断崖」のサムソン・ラファエルソンが脚本を書いた者。助演は「お人好しの仙女」のフランク・モーガン、「三銃士(1939)」のジョセフ・シルドクラウト、「美人劇場」のフェリックス・フレサート、「緑のそよ風」のセーラ・ヘイドン等で、撮影は「征服」のウィリアム・ダニエルスが指揮している。

1940年製作/アメリカ
原題または英題:The Shop Around the Corner
劇場公開日:1947年8月

あらすじ

ハンガリーの首都ブタペストのとある街角に、中流の客を相手の雑貨店がある。主人のマトチェックは35年間この商売をして、かなりの財産を蓄えたが子供がなく、家庭はさびしかった。それだけに商売は熱心で、店員も六人いる。若いクラリックは9年前に丁稚にきて今は一番の古顔で販売主任格であった。彼よりは年上のヴアダス、再篠あるビロヴッチ、女店員のフロラ、イローナ、丁稚のペピの五人がクラリックの下で働いている。クラリックに対する主人の信用は対したもので、晩食によばれるのも店員では彼一人である。店は夏の買い出しで忙しかった。そこへクララという女が販売係りに雇って貰いたいといってきたが、六人でも多すぎるくらいなので、クラリックは独断で断った。そこへ主人が顔を出したので、彼女は今度はマトチェックに申し込む。折しも一人の女客が来たのを捕らえ、クララはクラリックが売り物にならぬと言って仕入れを断るはずになっていた煙草入れを巧みに売り付けた。クララが店員となりクラリックの胸は穏やかではなかった。二人はことごとにいがみ合った。そのころから主人も無口になり、特にクラリックによそよそしくなった。クラリックは新聞広告で見た見知らぬ女と文通していた。女は手紙で見ると相当教養もあり、美しい処女であるように想像された。面会を申し込めばできるのだか、楽しみがなくなるようでもあり、怖いようでもあり会わないままで文通を続けていた。こうしてクリスマスにも近いある日、理由もなくクラリックはクビになった。その日の晩にクラリックはかの見知らぬ女性と初会見をする約束だったが、失業しては会う元気もなかった。その晩マトチェックの店に訪問客があった。かねてマトチェックが頼んでいた私立探偵で、彼の婦人の恋人は店員ヴァダスだという報告だった。マトチェックが自殺を企てたとき助けにきたのはペピであった。ペピの急報にクラリックは主人を病院へ見舞いに行った。マトチェックは疑ってすまなかったとわび、改めてクラリックを支配人に任命し、ペピも販売員に昇格した。新支配人はヴァダスをクビにし、病気で休んでいたクララを見舞った。彼が文通していた女はクララだった。二人が結婚するのは近々らしい。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0 60点

2025年8月8日
PCから投稿
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ま

4.0 クラシックなロマンスコメディでした

2024年12月22日
PCから投稿

アメリカ国立フィルム登録簿作品です。

ユーガットメールはこの作品の再作だそうですが、採点3点つけただけで内容もまるで覚えていない印象激薄でしたが、オリジナル版はさすがルビッチ親分、きびきびした演技の応酬を軽快に演出してメリハリもクッキリスッキリ、ホロッとするシーンも過剰過ぎずにサラリと処理して好感度満点の作品になりました。

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越後屋

5.0 ルビッチならどうする?

2023年5月28日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

興奮

わが敬愛する名匠ビリー・ワイルダーの師匠にあたるエルンスト・ルビッチ監督の作品の中でも「極楽特急」と並んで最も好きな作品です。雑貨屋の店員が長年文通している名も知らない相手は、同じ雑貨屋のライバル女性店員だった・・・"ソフィスティケイテッド(洗練された)・コメディ''という言葉は最近あまり使われませんが、その第一人者であるルビッチ監督のユーモアや優しさが全編にあふれており、まるでフランク・キャプラ監督作品を観てるみたいな気分にさせられます。後年トム・ハンクス&メグ・ライアン主演でリメイクされましたが、この作品には遠く及ばぬ出来でした。

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活動写真愛好家

4.5 人間関係をコメディで表している。

2022年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悪気のないコメディでゲラゲラ笑ってみた。1940年の映画であるが、なぜ、ブダペストと字幕で出る
が、ここをなぜこの映画の舞台に設定したんだろう。第二次世界大戦中でハンガリーをなぜ選んだのだろう。映画は全部英語でハンガリー語なんて誰も話していない。店主、マトチェックが新しい配達員のルーディにブダペストにクリスマスを過ごす家族がいるか聞いたときに使われたのが『ブダペスト』一言だけ。ちょっと気になって調べたが答えは見つからなかった。当時は、舞台をヨーロッパなどにするハリウッド映画が多かったらしい。アメリカの観客にとって、ヨーロッパの人物としてセットした方が、淫らな、ドキッとするような態度に寛大だったと書いてあった。なるほとねえ?!信憑性のある答えかどうかわからないねえ。1939年から戦争は始まっていたから、真実を隠すためのプロパガンダ映画かもしれない。映画では仕事も失業したら他にないというように描かれている。不思議なことがもっとあるだろうが私が気づかないだけ。時代背景を掴まないと、簡単にクリスマス映画だと飛び込んだ私にとって疑問が残る。

一番好きなシーンは前出したが店主、マトチェックがボーナスを渡した後、出口に立っていて店員一人一人に今日はどう過ごすか声をかけていくシーン。浮気していた奥さんとは過ごせないし誰かと過ごしたいと私はすぐ感じた。クリスマスを一人でなにもなく過ごすだろうルーディの肩を抱いて食べ物の名前を次々に言うシーンが好き、金持ちは金のない配達員ルーディを金銭で助ける、配達員は祖父のような存在であり家族のような気分が出せる。でも、二人とも一人という共通でお互いの心を癒せるし、これからもっと親密になっていける。クリスマスは助け合い。

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