魔の家(1932)
解説
J・B・ブライストリーの小説をベン・レヴェイーが脚色、「ウォタルウ橋」のジェームズ・ホエールガ監督した映画で「フランケンシュタイン(1931)」のボリス・カーノフ、メルヴィン・ッポンド、チャールズ・ロートン等が主演。カメラを「フランケンシュタイン(1931)」同様アーサー・エディソンがクランクしている。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:The Old Dark House
ストーリー
英国ウェールス地方の山道をドライブしていたフィリップ・ウェヴァートン夫妻とその友ベンゲレルは折柄の豪雨を避けるために一軒の古い邸に一夜の宿を乞うた。その邸はホレースというのが主人でその妹のレベッカと召使のモーガンの三人暮らしだったが召使モーガンは酒を飲むと狂暴になる危険な男であった。彼らが一休みする間もなくまた一組の避難客が現れた。それは金持老人のポーターハウスとコーラスガールのグラディスである。とかくするうちグラディスとベンダルはたちまち仲良くなる。自動車にウィスキーを忘れたのでペンダレルは雨の中を外へ出て行くがグラディスは酒に酔ったモーガンから嫌な眼付で睨まれるのでこれまた外のペンダアレルの後を追う。さて邸の中では灯が不足で陰気な余りレベッカはホレースとフィリップにランプをとって来てくれと言う。それをさがすため二階へ行くと何故かホレースは自室に飛び込んでしまった。仕方なくフィリップが一人廊下を歩いていると奇妙な音が耳に入った。階下に残されたのはレベッカとポーターハウスとフィリップの妻マーガレットの三人だった。すると突如酔どれのモーガンがマーガレットの前に現れた。折よく降りて来たフィリップに打ち仆されるが奇妙な事態を不審に思った彼ら夫婦はその正体を確かめに再び二階へ上がって行った。そしてある一室にホレースの老父トデリックを発見した。老人を話によるとこの邸は代々気狂いの血統があって現在も長男のソールが一室に監禁されているとのことだった。やがて狂暴なモーガント解放された狂人のソールとが階下に恐ろしい姿を現した。二人は眼の血に餓えている。殺人狂と客との間にものすごい格闘が始まる。だがベンダレルの助力を得たフィリップは数時間後二人の殺人狂を仆すことが出来た。このためペンダレルは重傷を負ったが生命は助かった。そして翌朝、客人達はこの呪いの邸を辞して雨上がりの山道を帰って行くのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・ホエール
- 脚色
- ベン・W・レビー
- 原作
- J・B・プリーストリー
- 撮影
- アーサー・エディソン