懐しのアリゾナ

解説

100パーセントのフォックス・ムーヴィートーン発声映画で、戯曲家として知られたトム・バリー氏が原作を書卸し、あわせて台詞をも執筆したものにより、「栄光」「紅の踊」のラウール・ウォルシュ氏と「暗黒街のローマンス」「闇より光へ」のアーヴィング・カミングス氏とが協力して監督完成したものである。主役を演ずるのは「ある男の一生」「三罪人」のウォーナー・バタスター氏、「栄光」「闇より光へ」のエドモンド・ロウ氏、それと舞台から来たドロシー・バージェス嬢とこの三人であるが、それを助けて「3悪人」で共演したトム・サンチ氏、ジェー・J・ファーレル・マクドナルド氏、フランク・カンポー氏を始めとし、アイヴァン・リノウ氏、ジェームズ・ブラッドベリー・ジュニアー氏、その他の人々が出演している。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:In Old Arizona

ストーリー

これは今は想出となって人の口碑にのみ伝えられる在りし日の懐しいアリゾナに起った物語であるし。グランド・キャニオンの近く、ウルフ・クロッシングの麓にある小さな小屋にトニア・マリアという美しい女が住んでいた。トニアの心には聖母マリアの聖さがあった。が、その体内を流れる血はカルメンの血であった。こうしたトニアを心の底から愛したのはこの界隈切っての伊達者、大胆不敵の山賊シスコ・キッドなのである。が、このシスコ・キッドはお尋ね者なのである。その首には5000ドルの賞金が賭けられている。第17騎馬隊の隊長は軍曹ミッキー・ダンに命じて彼を捕えさせようとした。ミッキーはシスコ・キッドの足跡を追って行った。そしてトニア・マリアと近づきになった。ミッキーは名うての色事師である。彼がトニアを好ましく思った時には、トニアもシスコ・キッドとは二世を契った仲であるに拘らず、その仇ミッキーに対し秋波を送ったのである。がこのミッキーとトニアとの懸引きではトニアの方が余計に多く男に打込んでいた。シスコ・キッドがグアダルーペで危難を脱して再びトニアの許に帰って来た時に、彼は愛するトニアがミッキーを腕に抱いているのを目のあたりに見た。その上、トニアが彼を謀って、ミッキーに短銃で殺させようとしているのを知った時に、彼の裏切られた憤りは彼の飽くなき狡智と惨忍さとを駆り立てたのである。シスコ・キッドは巧みに再び危地を脱した。その上、トニアを人もあろうにミッキーの短銃の煙とさせ得たのである。彼は巧みにトニアを己が身代りに立て得たのである。かくて万事は終った。シスコ・キッドはまた馬を走らせて想出多きこの地を去るのである。サボテンの花咲くこの地を。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く