劇場公開日 1963年7月5日

「監督の頭の中の恐怖の再現」鳥 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 監督の頭の中の恐怖の再現

2025年10月17日
PCから投稿

もし可愛い小鳥が突然襲ってきたら
それも大群となって…

監督の作品は「もし」の連続で成り立っている。
隣に座る見知らぬ人が犯罪者だったら…
いつも優しいあの人の裏の顔は…
などなど、監督が恐怖に感じる「もし」

この映画も小鳥のシーンから始まる。
それがキッカケで繋がる人の会話
いたって普通の日常の生活がある。
そこから思わぬ展開に巻き込まれる。

普通はあり得ない
まさかの事態の時

人、鳥、顔、鳥、顔、逃げる人
観客に”その次の恐怖”を伝える。

恐怖を映像で見せる技の手腕
カットバック、顔のアップ、
音からカメラアングルまでを使い
どんどんこちらの心理に入ってくる。

「あの人が来てから、鳥が変になった」
その噂は、そこの住民と孤立する人、
そして観賞する我々も巻き込んでゆく。

心理戦の表現

観客に恐怖を植え付ける監督の頭の中の工夫
スタッフの多くは理解できずに苦労したと聞く。
編集も立ち合い細部まで確認するヒッチコック
多くのストーリー ボードも残っており
彼をリスペクトする製作関係者は多い。

この映画の主役は鳥であり
無駄な音楽を流さない。
恐怖は表情を表さない鳥
言葉を話さない鳥そのもの。

物語は最後の最後まで
安心させてくれない。

星組
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