デパートの横顔
解説
「若殿頑張る」のジョン・クロフォード、「スピードウェイ」のアニタ・ペイジ、「船出の朝」のドロシー・セバスチャンの3人が「踊る娘達」と同様に共演する映画で、原作、脚色、台詞すべて「月光の曲」「海魔」のベス・メレディスが筆をとり、「踊る娘達」「スピードウェイ」のハリー・ボーモンが監督にあたり、「黎明の剣士」のメリット・ガースタッドが撮影を担任した。助演者は「ビッグ・ハウス」のロバート・モンゴメリー、「マダムX」のレイモンド・ハケット「スピードウェイ」のジョン・ミルジャン、ヘッダ・ホッパー、アルバート・コンティなどの面々である。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:Our Blushing Bride
ストーリー
ジェリー、コニー、フランキーの3人は同じ百貨店に勤め私生活では貧しいながらも同じ部屋に起居を共にしている程の仲良しでいづれも美しい娘であった。コニーは純真で、フランキーはフラッパーという感じの娘であるが3人はそれぞれ乙女心に楽しい夢を抱いていた。フランキーは彼女の愛を求めてたびたび店に買い物に来るマーティーと仲良くなり、コニーは店主の息子のデイヴィッドと恋仲になった。ジェリーは店のマネキンであるがデイヴィッドの兄のトニーの情熱に燃える視線を常に浴びていた。しかし彼女は慎ましく身を守ってイタ。ある日、ロング・アイランドの店主の広大な邸宅で催された流行衣裳の展覧会にジェリーは大勢のマネキンと一緒に姿を表したが彼女の姿が一番注意を引いた。この担任にあたっていたトニーは終わった後ジェリーを訪い庭園を散歩し、激情に駆られた彼は彼女に接吻した。ジェリーは彼を愛する気持ちを抱いていながらもあまりの自制なさに、子供のようだとたしなめて冷やかに別れた。家に帰った彼女はコニーがデイヴィッドと駆け落ちしたことを知り、またフランキーがマーティーと結婚し2人共泥酔した姿を見て彼女は1人寂しさに打たれた。しかしジェリーの友2人の幸福は永く続かなかった。フランキーの良人マーティーは罪を侵して捕らえられ彼女も共犯の嫌疑で警察にあげられコニーはデイヴィッドに捨てられ、ジェリーのもとに戻って来た。その後、トニーはしきりにジェリーに結婚を迫るのであったが、友2人の事件を見て彼女は容易に承諾しなかった。ジェリーが外出中コニーはデイヴィッドが他の女と結婚するとのことをラジオで知り、彼女は毒を仰いで自殺を計った。この有り様を発見したジェリーは医者を呼ぶとともにデイヴィッドのもとに駆けつけ、彼の立会いを求めたが容易に肯じないのをトニーは叱りつけたのでデイヴィッドはコニーの枕頭に車を飛ばし、コニーはデイヴィッドの腕にだかれて最後の息を引き取ることができた。これが動機となってジェリーはあるたのもしさをトニーの中に見いだした。かくて互いの心を深く理解し合った2人の間に将来の約束が交わされたのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハリー・ボーモント
- 脚色
- ベス・メレディス
- 原作
- ベス・メレディス
- 台詞
- ベス・メレディス
- エドウィン・ジャスタス・メイヤー
- 撮影
- メリット・B・ガースタッド